School of Dog?

イヌが読書やら雑談やら。

ジョージアワイン@吉祥寺"Cafe RUSSIA"、すなわち吉ジョージアワイン

栃ノ心で、ジョージアに興味を持つの巻

【登場犬物】

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f:id:school_of_dog:20151105224445j:plainゴールデン先生。家庭科。食べるのが好き。

 

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f:id:school_of_dog:20151105224443j:plainヨークシャ先生。社会科。年齢不詳。

 

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f:id:school_of_dog:20150803102459p:plainちょっと前のこと。ヨークシャ先生とゴールデン先生は、仕事もせずに職員室でテレビを見ていたのである。

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f:id:school_of_dog:20180612191828j:plain(テレビ)大相撲夏場所で13勝をあげた栃ノ心の大関昇進が、正式に決定しました。

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plain栃ノ心、やりました!

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plain大きな話題になっています。

 私、お相撲って全然見ないんですけど、好きな方は本当に好きですよね。

 

f:id:school_of_dog:20180612191828j:plain(テレビ)ジョージア出身力士・栃ノ心の大関昇進祝いにと、日本コカ・コーラ社は缶コーヒー「ジョージア エメラルドマウンテンブレンド」900本を栃ノ心の所属する春日野部屋に届けました。 

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plain栃ノ心は、ジョージアという国の出身でしたよね。

 栃ノ心の出身国「ジョージア」と、缶コーヒー「ジョージア」って、同じ場所ですか?

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plainいいえ、違います。

 コカ・コーラ社のHPを見ると、缶コーヒーの名称は「コカ・コーラの発祥の地であるアメリカ・ジョージア州からとっています」とありますよ。

 音が一致しているだけですね。

 かのビートルズも、アメリカのジョージア州と、そのアメリカと冷戦でいがみ合うソ連の下にあったジョージアの音が一致していることを「Back in the U.S.S.R.」という曲の中でネタにしています。

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plainだとしたら、コカ・コーラ社は棚ぼた的に宣伝効果が得られたわけですね。

 ところで、私はジョージアという国についてはほとんど何も知らないのですが、どの辺りにあるんですか?

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plainコーカサスと呼ばれる場所ですよ。

 カスピ海と黒海に東西をはさまれています。

 コーカサスは、ヨーロッパ、アジア、アラブ諸国を結ぶ十字路に当たる部分でして。

 今に至るまで、さまざまな苦労を乗り越えてきた地域なんです。

 

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plain地図を見ると、なるほど、その辺りにあるのかーってつかめました。

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plainジョージアは、人口430万人、面積は日本の5分の1くらい。

 歴史の中で大国に圧力をかけられながらも、尚武の気風を守り抜いてきた国です。

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plainそう言われたら、栃ノ心の大関昇進も相まって興味が湧いてきました。

 よし、ジョージア料理を食べに行きましょう!

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plainジョージアを知るための手段として「食べる」ことを選ぶのが、家庭科教師らしいというか、ゴールデン先生らしいというか。

 ですがそのスタンスには、私も賛成です。

 食べ物には、その土地の地理、歴史、生活、自然環境、文化などおよそすべてのことが詰まっていますからね。

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plainはい、ジョージア料理を食べられるお店を調べました。

 吉祥寺の"Cafe RUSSIA"というお店に今から行きます。

 40秒以内に支度してください。

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plainは、はや!

 私がたった3行喋っている間に……。

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plain残り30秒です。

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plain……(怖いのでそそくさと支度を始めるヨークシャ先生)

 

 吉祥寺・Cafe RUSSIAへ、ジョージア料理を食べに行こう!

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plainというわけで、やってきましたCafe RUSSIA!

 吉祥寺駅を線路伝いに歩いて、5分くらい。

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plainいやぁ、東京は本当にすごい街ですね。

 世界中のものが、磁石に引き寄せられるかのように集まっています。

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plainこのお店は、店名からも分かる通りロシア料理を中心としていますが、ジョージア料理も色々と食べられるんですよ。

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plainロシアとジョージアの関係は本来難しいんですよ。

 国名をグルジアからジョージアに変えたのも、ジョージアの中に渦巻く反露感情ゆえのものと聞いていましたが……。

 でも、ロシアとジョージアがこうしてひとつのお店に共存しているということは、その結びつきは一言ではとうてい説明できないということでしょうな。

 

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f:id:school_of_dog:20151105224445j:plain店内入店!

 夕方ですが、若者からご年配の方まで、幅広い層のお客さんによって席はほぼ埋まっています。

 我々も若い女性店員さんのご案内に従って座りました。

 店員さん方は、ロシアの方でしょうか。

 日本語がお上手です。

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plain店内は赤を基調にしていますね。

 ロシアで赤といえば、赤の広場が象徴するように美しい色。

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plainそして、お肉を焼くいい匂いが漂っています。

 食欲を誘う、赤い匂い。

 ただちに注文をしましょう!

 

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f:id:school_of_dog:20150803102459p:plain店内の壁・天井はほとんどすべて、この赤で統一されています。

 

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f:id:school_of_dog:20150803102459p:plainロシアの赤の広場には、聖ワシリイ大聖堂があります。

 テトリスのタイトル画面で有名な、玉ねぎ型のアレです。

 写真の通り、我々も実は行ったことがあるんですよ!

 ……というのは冗談で、これは東武ワールドスクウェアの模型です。

 

ジョージアと言えばワインなり。

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plainジョージアの料理で有名なのは何でしょう?

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plain料理とは違うかもしれませんが、ジョージアといえばワインです。

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plainワインですか!

 やりましたね!

 優勝です!

 おめでとうございます!

 ありがとうございます!

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plain何の優勝でしょうか。

 ジョージアのワイン造りですが、なんと世界遺産に登録されています。

 なぜなら、ジョージアは世界最古のワイン造りが行われていた場所だと言われているからです。

 科学的・考古学的に、ジョージアのワイン造りは紀元前8000年まで遡れるのだとか。

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plain紀元前8000年……!?

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plainコーカサスは、ブドウの原産地のうちのひとつみたいです。

 ジョージアの伝統的なワイン製法は、クヴェヴリと呼ばれる素焼きの巨大な壺に収穫したブドウを潰して流し込むというもの。

 そのクヴェヴリは、人間が入れそうなほど巨大でして。

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plain今もその方法が受け継がれているのはすごいことですね。

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plainジョージアというのは、キリスト教国だということもあって、国を挙げてワイン製造をしてきた歴史があるんです。

 そこにかけてきた重みは半端ではありません。

 今でも、ジョージアの労働人口のうち半分が農業従事者、そしてそのうちのほとんどがワイン製造者だそうですよ。

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plainジョージアにとってのワインは、日本にとってのお米ぐらいの重たさがありますね。

 あれ、でも今ワインの産地と聞いて、一般的にジョージアというワードはあまり出てきませんよね?

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plainそうなんですよね。

 私も、そこが気になっていました。

 500ページを超える分厚さを誇る『ポケットワインブック』を見ても、ジョージアワインについての記述は1/3ページ程度しかありません。

 書かれているのは、こんなこと。

 ●コーカサス固有の土着品種ブドウを用いてワインを製造しているため、他地域にはない味わいがある。

 ●ワインは現代的な方法で製造されるようになってきているが、一部はクヴェヴリによる製造を今でも続けている。

 ●安定した品質でワインを大量生産できるようになるかが今後の課題である。

 他の国については、個別にワインの名称を挙げて評価しているのですが、そういうのもないんです。

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plainいかんせん我々はワインに詳しくないのでなんとも言えませんが、冷戦が終わり、コーカサスの紛争も収まっていくことで、ジョージアワインの国際的な認知度は本当にこれからこれから高まっていくのかもしれません。

 お話しを聞けば、ジョージアワインはワイン本の1章を占めてもいいくらいのポテンシャルがあるじゃないですか。

 よし、今夜私たちは、時代の最先端を行きましょう!

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plainよだれが、たれていますよ。

 

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f:id:school_of_dog:20151105224445j:plainということで、ワインをグラスで2種類注文です。

 白ワイン「ツィナンダリ」(680円)と赤ワイン「サペラヴィ」(870円)。

 いずれもコーカサス固有のブドウで造られているようですが、残念ながらクヴェヴリを用いて造ったものではないようですね。

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plainいつか、クヴェヴリのワインも飲んでみましょう。

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plainまずは赤ワイン「サペラヴィ」です。

 

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f:id:school_of_dog:20150803102459p:plain犬たち、飲酒中……。 

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f:id:school_of_dog:20151105224445j:plain美味しい!

 メニューに「スパイシー」という文字があったのでクセが強いのかなと思っていましたが、後味がすっきりしていますね。

 渋さがありません。

 ですが、確かに今までの私の乏しいワイン歴の中では飲んだことのない香りがするような気がします。

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plain続いて、白ワイン「ツィナンダリ」に行きましょう。

 

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f:id:school_of_dog:20150803102459p:plain犬たち、飲酒中……。

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f:id:school_of_dog:20151105224443j:plainお、こっちは何でしょうな、あとにいい甘みが残るような気がします。

 私、これお気に入りになりそうかもしれません。

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plainジョージアワインについては、フランス「よりも」美味しいかどうか、みたいな比較の文脈では語りたくないものですね。

 ジョージアのワインも選択肢のひとつに入ってくるような、そういう時代が来ればいいと思います。

 日本のみなさま!

 缶コーヒーもいいですが、栃ノ心優勝に便乗してジョージアワインの世界を覗いてみるのはいかがでしょうか?

 

ジョージアのご長寿料理たち

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plainさぁ、そんなことを言っていたら他の料理も運ばれてきましたね。

 Cafe RUSSIAという店名に反して、今回はジョージア料理しか頼んでいません。

 申し訳ございませぬ。

 

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f:id:school_of_dog:20151105224445j:plainまずはハチャブリ(1,000円)。

 メニューの説明によれば、「パイ生地でもパン生地でもない不思議な生地」でチーズを包み、オーブンで焼いたピザ、とのことです。

 チーズがトロットロで美味しい!

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plainハチャブリはジョージアの鉄板メニューでして、地域によって形が違うそうですよ。

 

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f:id:school_of_dog:20151105224445j:plainハチャブリの断面図。

 油は多いですが、悪い油ではないのがわかります。

 もっぱらチーズが使われているんですもの。

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plainジョージアは、長寿国としても知られています。

 このチーズが、長生きの秘訣なのかも。

 

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f:id:school_of_dog:20151105224445j:plain続いては、トロットロの牛肉が入った激辛スープ、ハルチョー(900円)。

 激辛とは書かれていますが、美味しく食べられる辛さですよ。

 参考までに、私は蒙古タンメン中本のカップ麺は美味しく食べられて、ペヤング激辛は辛いなぁ……くらいの強さです。

 その私が、難なく食べられるくらいの辛さ。

 伝わりづらいでしょうか?

 あぁ、食べているうちにお腹が温かくなってきました。

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plainおや、中にお米が入っていますね。

 ジョージアで稲作は可能なのでしょうか?

 それとも、日本風にアレンジしてくださっているのかな。

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plain酸味があり、複雑な辛さがあり。

 ハーブも入っているのでしょうか。

 これは、自分で再現するのは難しいですね。

 大きなお鍋で、たくさん仕込まれているのでしょう。

 

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f:id:school_of_dog:20151105224445j:plain最後は、オーブンで焼いたひな鳥・タバカ(1,200円)です。

 明るすぎ、伝わりづらい写真でごめんなさい。

 3ヶ月かけて発酵させたハーブで味付けをしてあるそうです。

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plainこれは、ジョージア料理の特徴がとてもよく出ているような気がしました。

 まず、塩分が相当に抑えられていますね。

 この点で、アメリカンなフライドチキンとは異なる美味しさがあります。

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plainそれから、油っぽさがほとんどありません。

 調理方法で、油が出ないようにしてあるという感じ。

 かといって、物足りないわけではないんですよね。

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plainここで物足りなさを感じさせないためのハーブなのでしょうね。

 ジョージアのワインとよく合うお味でした。

おわりに

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plain今回は、ジョージア料理を食べてジョージアについて学んでみるの会でした。

 心残りは、ヒンカリというジョージアの餃子みたいなものが食べられなかったこと(平日にしか販売していないようです)と、何よりクヴェヴリワインを飲めなかったこと……。

 いつか、必ずのリベンジを!

 リベンジを!!

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plain東京には、世界中のものが集まっています。

 ということは、東京では疑似・世界旅行がし放題なんですなぁ。

 また、こういう企画をやりたいですね。

 

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f:id:school_of_dog:20150803102459p:plain世界遺産にもなったクヴェヴリワインを飲んでみたかったぁぁぁ……。

 リベンジでござる。

 

(参考にした資料)

コーカサス国際関係の十字路 (集英社新書 452A)

コーカサス国際関係の十字路 (集英社新書 452A)

 

f:id:school_of_dog:20150803102459p:plain今回は食のことしか書いていませんが、コーカサスはソ連崩壊後に民族の対立という重たい問題に直面しました。

 ジョージアも然り。

 この辺りも、ジョージアやコーカサスを考える上では無視できないテーマです。

 そうした問題が起こる構造を説明した新書。

 

コーカサスを知るための60章 エリア・スタディーズ

コーカサスを知るための60章 エリア・スタディーズ

 

f:id:school_of_dog:20150803102459p:plainコーカサス全般について解説した本。

 地理、歴史、文化などオールジャンルについての解説。

 しかし、食生活については60章のうち1章です。

 

ジョージアのクヴェヴリワインと食文化: 母なる大地が育てる世界最古のワイン伝統製法

ジョージアのクヴェヴリワインと食文化: 母なる大地が育てる世界最古のワイン伝統製法

 

 f:id:school_of_dog:20150803102459p:plain今でもクヴェヴリでワインを造っている方々のお話が掲載されています。

 後半には、ジョージアの文化が写真付きでキレイにまとまっていますよ。

 

世界遺産になった食文化〈5〉世界ワインのルーツはグルジア!  グルジア料理

世界遺産になった食文化〈5〉世界ワインのルーツはグルジア!  グルジア料理

 

f:id:school_of_dog:20150803102459p:plain子供向けの本ですが、今回はこれを一番参考にしました。

 幅広い内容がコンパクトにまとまっています。

 

ポケット・ワイン・ブック ハヤカワ・ワインブック

ポケット・ワイン・ブック ハヤカワ・ワインブック

 

f:id:school_of_dog:20150803102459p:plainジョージアワインの一般的な評価を知りたく、ちょっとだけ覗きました。

 客観的な評価が分かってよかったです。