School of Dog?

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とても偏っているかもしれない、スピッツ【個人的】ランキング(11位から6位まで)

スピッツについて好き勝手に語る

f:id:school_of_dog:20151105224442j:plainこのページは、スピッツをこれから聴いてみようという方に対してオススメの曲を紹介するものではありません。

 ワタシが好きな曲を、上から順番に11コ並べて、これでもかというほどの熱量で魅力を語る。

 ただそれだけのページです。

 

 まず、スピッツの曲を全部並べました。

 そこから本当に好きな曲を抜き出します。

 すると、最初は25コくらいに。

 

 そこから頑張って厳選して16コくらいまで絞る。

 この16コについては、先んじてもうメモ帳に好きなところを書きなぐっておきました。

 

 だけど、それでも多いなって、限界まで削って11コに……。

 キリが悪いですけど、これ以上はもうムリです!

 削れません!

 

 この記事の需要がどこにあるのかわからないのですが、スピッツファンの方には「こういう曲が特に好きなヤツがいるのか。コヤツはこの曲の良さはそう捉えているのか。え、それは違くない!?」と、頷き&ツッコミを入れて読んでいただければ。

 スピッツをちゃんと聴いてみたい方……には、あまりオススメできないかもしれません……。それならそれ用に、オススメの曲を書き直したいくらいです。

 有名ドコロは聴いたぞ、他にどんなのあるんだって方。読んでいただければ、一ファンの感じている魅力が見えてくるかもしれません。

 

 ワタシは、スピッツばかり聴いて育ってきました。

 とはいえ最初期の頃から知っていたわけではなく、ロビンソンやら空も飛べるはずやらチェリーやら、その辺りで知ってから昔のも聴き直したぞという感じです。

 

 こう言うと怒られるのかもしれませんが、ワタシはスピッツが好きというより、スピッツの曲が好きなんです。

 だから、正直メンバーの名前も名字がギリギリ分かるかなっていうレベルなのですが……。

 ですが、曲については本当にもう、カツ丼かっ込む勢いでガツガツ聴きまくってきました!

 

 スピッツの魅力は、草野マサムネさんの声、それを支える(そして静かに変態的に動き回る)サウンド、そして詩としての完成度を高めた歌詞、これらすべてが融合しているところだと思っています。

 特筆すべきはやはり歌詞でしょうか。

 歌詞の意味については、聴いた人が好きに考えてよいのです。

 草野マサムネさんの考えたことに近づけるのが正解ではありません。

 

 そんなわけで、好き勝手に書かせていただいております。

  

 本当はこうやって、曲単位で引っ張り抜いてしまうのはチャンチャラおかしいと思うんです。

 アルバム単位で、前後のつながりを含めて聴いてナンボってなところがあるでしょう!

 でも、アルバムではなくてシンプルに曲単位で書いてみたくて仕方なくなったのでございます。

 

 あまりに長くなるので、今回は11位から6位まで。

 昔から書きたい書きたいって、それこそ4年くらい思っていたけど書かなかった記事。

 ついに!

 書きます!

 ワタシのスピッツ愛好歴をここにすべて投入して……!

 

11位 夏の魔物

スピッツ

スピッツ

 

f:id:school_of_dog:20151105224442j:plain夏のむわっとした空気感が伝わってくる、最初期の超名曲。

 某・秋葉原のアイドルが可愛らしく「会いたかった YES!!」と歌って大ヒットを飛ばしたあの日から遡ること20年。

 そこには、ダークな「会いたかった」を叫んでいた草野マサムネ氏がいた。

 同じ「会いたかった」でも、そこに込められている意味は真逆。

 前者はようやく会えた。

 後者は会えていない。

 日本語って奥深いですね。

 

 夏の魔物。

 一般的には、堕胎をテーマにした歌詞だと解釈されているのでしょうか。

 そう聞けば、なるほど確かにしっくり来る部分は多々あります。

 

 ただ、ワタシはあんまりシチュエーションを限定したくないのです。

 最初にも書いた通り、答えはひとつじゃないのですから。

 広がりがなくなってしまうから。

 考える楽しみがなくなってしまうから。

 そこで、ワタシなりにもう少し広く考えて、好きに書いてみます。

 

 「幼いだけの密かな掟」の上で君と見た「夏の魔物」って、ワタシはシンプルに、永遠に一緒にいられるみたいな、中高生くらいの男子・女子の幼い幻想なのかなって思っていました。(そうすると、「君に似た」の説明がつかなくなりますが、ここは大人の対応で目をつむっていただいて……)

 幼と幻の漢字が似てることのみやけに気になる(俵万智感)。

 魚もいないドブ川だから、汚い都会を舞台にしているのでしょうか。

 

 大人になるにつれて課せられる社会的な束縛や制約。

 そこからヨロヨロと逃げる。

 「僕の呪文」というのは、ずっと一緒にいようねみたいな、少年からしたら本気でも大人からしたらむず痒くなってしまうような、そういう言葉なのかな。

 

 最終的にこの二人は一緒にいることができず、「サンシャイン」や「田舎の生活」へと派生していく。

 二人だけの閉じた青臭い世界・青春観に魅力がある曲です。

 

 ギターが地味に、スピッツの中ではかなり難しい部類に入りますね。

 ということで、こちらのカバーも何度も聴きました。

 ギターソロがとてもいい感じにアレンジされています。

www.youtube.com

 

10位 愛のことば

ハチミツ

ハチミツ

f:id:school_of_dog:20151105224442j:plainさまざまな歌詞解釈を妄想できる曲。

 曲調は暗くありませんが、歌詞はどうあがいても残酷。

 すべてに言及するとキリがないので、一番気になるところについて。

 

 優しい空の色

 いつもどおり彼らの

 青い血に染まった

 なんとなく薄い空

 

 ブルーブラッドといえば、白人、ひいては支配層を意味することがあります。

 一方で、例えば怪獣ものの敵や宇宙人がそうであるように、人間ではない、自分たちとは別の種族の血の色としても青が使われたり。

 昔、円谷英二の伝記マンガを読んだのですが、怪獣の血しぶきを描写したスタッフを円谷さんが注意して、そこから青い血が使われるようになったと書かれていた記憶があります(あやふや)。

 

 さて、この曲の「青い血」の持ち主は、どちらを指しているのでしょうか。

 ワタシは、後者のように思えてなりません。

 人間として扱われずに迫害され、殺されている人々の魂が天に登って空を青く染めている。 

 

 もっと具体的に言えば、「ハチミツ」がリリースされる直前に放映された、スピルバーグ監督の「シンドラーのリスト」をイメージします。

 PVが白黒なところからも。

 

 あるいは、「昔あった国の映画」と、恐らくはソ連をイメージさせるような歌詞を入れているところから、ソ連崩壊後に起こった民族紛争がテーマなのかなとも思ったり。

 それが何なのか特定するのが目的ではなくて、極限状況という舞台設定をすることで、「愛のことば」の重みが出るということがいいたいのです。

 

 社会的ステイタスの共有を約束する「結婚しよう」という愛のことばよりも。

 オシャンティなバーでグラスを傾けながら囁く「愛しているよ」という愛のことばよりも。

 

 すべてを取っ払ったところで語られる、原始的な「限りある未来を搾り取る日々から一緒に抜け出そう」、つまり「生きよう」と誓い合う愛のことばには、鬼気迫るものがあります。

 だって、神様すらこぼれ落ちているんですもの。

 究極の場面で、信じてきた神様は助けてくれなかった(いや、現世利益を求めていない宗教なら現世で助けてくれないのは当たり前かもしれませんが)。

 もはや何も信じられない、絶望の中での愛のことば。

 

 苦いコーヒーを挟むことで甘いものが際立つように(?)、暗い世界観を設定することで、真の愛のことばが輝くのでしょう。

 

 JPOP全盛期であった90年代後半、巷にあふれていた明るい愛の歌へのアンチテーゼ。

 作詞の、いや、もはや作詩のセンスが光ります。

 そして、これほどまでに残酷な歌詞であるにもかかわらず、曲調は決して暗くないところがまたスピッツらしい。

 

9位 夏が終わる

Crispy!

Crispy!

f:id:school_of_dog:20151105224442j:plain夏の終わり、川沿いとかを散歩して、青い空と分厚い雲を見ながら聴くとハマる曲。

 この位置づけに来る曲として、「渚」とどっちを入れようか迷いましたが、セツナ感がもっとも強く出ていると思うこちらをチョイス。

 

 日焼けをもろともせずに海で遊び回るキツネ目の少女。

 日に焼けた鎖骨から零れるパワー。

 そこには、イノセンスというか、極端に言えば無邪気な人間の持つ不可逆的な神性というか(どゆこと?)、そういう物を感じます。

 

 だけど、これは一人称視点でそんな彼女について歌っているわけではない。

 歌詞の中には「彼」も出てくるんです。

 じゃあ、一体この「彼」と「少女」を見ているのは誰なのだろう?

  そこら辺が、この曲の不思議さを醸し出しているんじゃないかな。

 

 またひとつ夏が終わる

 音も立てずに

 暑すぎた夏が終わる

 音も立てずに

 深く潜ってたのに

 

 最高かよ。

 

8位 スパイダー

スパイダー

スパイダー

 

f:id:school_of_dog:20151105224442j:plain上位に行くに連れて、シングルでヒットした曲が減っていきます。

 いい曲いっぱいあるんですけどね。

 「ロビンソン」、「冷たい頬」、「運命の人」は泣く泣く削りました。

 ですが、「スパイダー」は思い入れもあり、どうしても削ることができませんでした。

 

 「スパイダー」の歌詞、どういう意味なんでしょうかね。

 

 「筋書き通りに汚されていく」、つまり可愛い女の子がさも当然のように、約束通りに汚されていくということ。

 それをスパイダーが壁に張り付いて見ている。

 こんなのを見ているのは耐えられない。

 

 「だから」もっと遠くまで君を奪って逃げるんです。

 これ以上「可愛い君」が汚されないようにするために。

 

 「だから」に注目すれば、君を汚しているのは僕ではないように思えます。

 洗いたてのブラウスが今筋書き通りに汚されていく → だからもっと遠くまで君を奪って逃げる、の順番なのかなと。

 

 狭い例え方をするなら、「君」というのは例えば善悪の判断曖昧に娼婦として働いている少女とか?

 となれば『椿姫』がイメージされます。

 二番の歌詞を見ると、「君」は僕ことスパイダーに感謝をしているどころか、小悪魔的に振り回している、そういうところからも。

 

 ただ、「夏の魔物」でも書いた通りあまり狭めた解釈はしたくないんですよね。

 もっと広く考えてみると、世界が君を汚そうとしていて、ボクがそれを救ってやる! みたいな。

 もちろん、世界が君を汚そうとしているから救ってやる、なんてのはボクの独善なわけでして。

 純粋な女の子が、陽キャラ系男子に話しかけられているだけで気が気じゃない、みたいな思春期の男の子視点。

 

 もっと遠くまで君を奪って逃げる

 ラララ千の夜を飛び越えて走り続ける

 

 がリフレインし続けるところからも、逃げ続けている感が出ている。

 転調も、ずーっと逃げ続けていることを表現しているように聞こえます。

 フェードアウトも然り。

 

 ライブではフェードアウトができないので、アウトロをどう演奏するかが問題になってきますね。

 キーボードを織り交ぜた技巧的アウトロが聴けます。

 

 ちなみに、「恋のうた」や「C7」で有名なGO! GO! 7188がこの曲をカバーしていますね。

 こっちのバージョンもすごくいい!

 スピッツは、女性が歌うと輝くときがあるんです。

 

 The La's「There She Goes」のオマージュになっています。

 イントロと、ゼアシーゴーズ(ラーラーラー)のところがまさにそう。

 (パクリではありませんよ! パクるなら、この曲みたいに「分かってくれー!」ってこの上なく分かりやすくパクらないでしょうからね)

 

 君を捕まえて、(世界から、束縛から)逃げようとする曲なのに、なぜ、There(ほら)、She(彼女)がGoesしちゃった(行っちゃった)よてな曲を持ってきたのでしょうか(ルー大柴)。

 そこを考えてみるのも面白いです。

 

7位 ヒバリのこころ

スピッツ

スピッツ

 

f:id:school_of_dog:20151105224442j:plain比喩表現を得意として、ストレートなメッセージはあまり歌わないスピッツの、最初にして最大のメッセージソング。

 スピッツの世界観の根っこが、もっとも分かりやすい形で表れている曲です。

 椎名林檎「正しい街」が分かりやすくデレて本心を見せているのと同じでしょうか。

 

 スピッツ最大のメッセージ、それは結局こういうことだと思います。

 

 僕と君は、行く手を阻む壁がいくつあっても二人で生きていこう。

 

 もう少しあとのアルバムになると、僕と君のことは他には誰も分かってくれない、というかお互いに分かりあったフリでしかないのかもしれない(フェイクファー)、だけどそれでもいいから一緒にいようと、もっと閉鎖的になっていきます。

 だけど、そうだとしてもスピッツの根幹はいつでも「僕らこれから強く生きていこう、行く手を阻む壁がいくつあっても」なのだと思います。

 

 スピッツって、いい意味でメッセージが曲に込められていないというか、読み取りづらいんですよね。

 愛してる、と言ったかと思えば、の響きだけで強くなれる気がしたよ、とひねくれてみたり。

 

 そんなスピッツが、超分かりやすくメッセージを伝えているという魅力。

 ツンデレはたまに出れるからそのデレに輝きがあるわけで、毎曲毎曲ストレートに愛してるって言っていないからたまの「一緒に強く生きていこう」に威力があるんです。

 

 なお、ヒバリは東京では絶滅寸前。

 まさに行く手を阻む壁がたくさんあるわけです。

 一方で、天と地を行き来するヒバリは幸福のシンボルとして扱われたりすることも。

 

 最初の曲で力が入っていたはずの草野マサムネさんが、勝負どころにあえて「ヒバリ」を選んだのはなぜなのか。

 妄想がはかどります。

 

6位 青い車

空の飛び方

空の飛び方

 

f:id:school_of_dog:20151105224442j:plainここから先、6~1位までが自分の中で頭ひとつ飛び抜けています。

 六天王。

 

 5~1位は長くなりすぎるので、別記事に。

 6位の「青い車」についてだけここに書いちゃいましょう。

 

 重たいドラム。

 歪んだギターソロ。

 ベースもイントロからかなり動き回っている。

 そんなヘビーなロックサウンドの中で、アルペジオだけが爽やかさを表現しているというアンバランスさ。

 「空の飛び方」には、そんな音作りが多いような気がします。

 

 それでも、メロディラインと表面的な歌詞のキレイさでドライブソングにもなり得るという不思議。

 よく耳を凝らせば、最初から君の首に僕の冷えた手が噛み付いて弾けているというのに。

 

 永久に続くような掟に飽きる。

 輪廻の果てへ飛び降りる。

 生きるということは木々も水も火も同じ。

 

 いずれも、仏教的な輪廻転生の世界観を下敷きにしているのは明らかでしょう。

 シングルヒット曲で仏教における生と死を表現するぶっ飛び具合。

 とすれば、ここでいう青い車ってなんだろう。

 

 リボーンしたいわけではない。

 転生したいわけではなくて、極楽浄土に行きたいのだから。

 君とふたりで、すべてを終わらせたい。

 

 「誰もさわれない二人だけの国」を歌う「ロビンソン」と、メッセージとしては同じなのでしょうかね。

 青い車で輪廻の果てへ飛び降りれば、誰もさわれない二人だけの国へと行けるのでしょう。

 

f:id:school_of_dog:20150803102459p:plain続きを書きました。

 よろしければ御覧くださいませ!

www.school-of-dog-11111111111.com