縁は異なもの味なもの……いや実は?/小さな旅 聖天さまの贈りもの~埼玉県熊谷市妻沼~

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f:id:school_of_dog:20151105224439j:plain純朴そうな和菓子屋の娘さんに惚れる回! いやっほう!

 ……失礼、取り乱しました。冗談でございます。はい。いや、ほんとすみません。

 

 熊谷市と合併した妻沼は、聖天(しょうでん)さまと呼ばれて愛される妻沼聖天山で有名。妻沼には昔、合併した後に一度行ったことがあったかな。公共交通機関でのアクセスが悪かったことと、道の駅で長いお稲荷さんを食べたことをなんとなく覚えている。そうそう、「妻沼のお稲荷さんってなんで長いんですか?」ってお店にいたおばちゃんたちに質問したら、「え、私たちはお稲荷さんって言ったらそのサイズのことしか知らないから、なんでって言われてもねぇ……」と困ったような返答が返ってきたんだっけか。

 あ、なんだか段々思い出してきたぞ。「深谷ネギが有名だけど、『利根川の肥沃な土地』って条件は妻沼もおんなじなんだから、ネギのクオリティだって深谷に決して負けていない。なのに熊谷ネギが有名にならないのは、行政のPR能力が低いからなのよー!」っておばちゃんたちの愚痴を聞いたっけ。

 

 妻沼トークで脱線した。今回の主題はお稲荷さんでもネギでもなく、聖天さまが結ぶ縁。緑ではないぞ。縁だ。えん。

 50年ネギを作り続けている74歳の女性は、恥ずかしいんだけどって言いながら結婚写真をカメラに見せてくれた。この老夫婦2人は、聖天さまの境内で「私でいいんですか」「お願いします」と愛を誓いあったんだとか。理想の老夫婦って空気がほんわか溢れ出ていて羨ましさ爆発だったんだけど、50年前の思い出を共有できるって素晴らしいことじゃないか。

 

 一方、つながる縁あれば離れる縁あり。門前町で100年続く和菓子屋の娘は、結婚のために引っ越すという。だけど、娘が出ていってしまったらこの和菓子屋の跡継ぎがいなくなってしまう。

 父はいう。この縁も聖天さまが授けてくれたものだ。自分の幸せを大切にしなさい、と。その言葉を聞いた娘は、結婚を決意する。「終わることを僕らが意識し始めた時急に時間は形を変えた」とは違うけど、結婚が間近に迫った最後の日々にはなんだか言いようのない切なさが溢れていた。

 

 おい誰だ、日本人は無宗教だっていったやつ。ここにいる人たちはみんな、聖天さまを心の拠り所として生きているじゃないか。

 縁と聞いて、「縁は異なもの味なもの」って言葉がまず浮かんだ。男女の結びつきはとても不思議なもので、うまくできているという意味だ。だけど、実は不思議でも何でもなく、あるいはまったく偶発的に出会いが起こるんじゃなく、少なくとも妻沼に置いては聖天さまが然るべき時に然るべき人と結びつけているんじゃないか。