「内ではなく、外へ向かえ!」に共感/NHK「100分de名著 ラッセル“幸福論”」全4回

概要

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f:id:school_of_dog:20151105224439j:plain2017年放送。24分✕4回。

 哲学者バートランド・ラッセルの名著『幸福論』を100分で紹介。

 解説は山口大学准教授の小川仁志先生、朗読は荒川良々さん。

 小川先生は商社マンになったもののうまくいかず、引きこもり生活をした後に哲学にのめり込んでいったとか。

 その際小川さんを引っ張り上げた哲学書のひとつにこの『幸福論』があるということで、説得力はマシマシです。

 

評価:3

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f:id:school_of_dog:20151105224439j:plain大学生のときに読んだことがあるけど、内容を完全に忘れてしまった本『幸福論』。

 

 番組でも繰り返し述べられていますが、この本は「実践的」なのだそう。

 となると、巷にあふれる「あなたはこうすれば幸福になれますよ」というハウツー本とこの哲学書との境界がどこにあるのかがポイントになってきます。

 自分の内側に目を向けず、外側に目を向けなさい。

 これがラッセル『幸福論』の中心となっているわけですが、これと同じ文章はハウツー本にだって書かれているだろうし。

 

 哲学って、ボクの拙い見方では、本質を捉えるってことなのかなと。

 となれば、『幸福論』が哲学書として成り立つためには、その内容が幸福の本質を捉えていて、公式として万人に当てはまる必要がありましょう。

 もしこの本が「普遍的な幸福の公式」を提示しているのなら、凡百のハウツー本なんてお話にならないくらいすごい本なのでしょうな。

 実際そうだから、ここまで読み継がれているのでしょうし。

 

 小川先生は「ラッセルは幅を持たせて書いており、単なるハウツー本とは違う」とおっしゃっていましたが、さていかに。

 さしあたってはボクの人生に当てはまるのか、これから実験していきたい。

 この本の内容が普遍的なのかどうかを判断するためには、ボクはまだ人生経験が浅すぎるな。

 

 不幸になる要素、そこから脱する方法、さらには不幸から脱するだけではなく積極的に幸福になる方法と必要な要素。

 いずれも「確かに!」と感じるものばかりです。

 伊集院さんがおっしゃっていた「チューニングのツマミ」「チェックシート」という言葉がぴったり合います。

 

 特に「外界に目を向けよ」については「まさに!」。

 相田みつをの「アノネ、がんばらなくてもいいからさ、具体的に動くことだね」という言葉が大好きなのですが、内面でどれだけ理論をこねくり回しても、外界に向けて具体的行動を起こさない以上は最終的に何も変わらんと思うんです。

 「さんざん悩んでみてもホント何にもなりゃしないよー♪」という、昔のヒット曲も思い出されたりして。

 行動する哲学者ラッセル、ここにあり。 

 

 一方で、なんていうのでしょうか、荒川良々さんを起用した演出や「役に立つ」を連呼しすぎているためでしょうか。

 この番組を介して確かに『幸福論』を理解しやすくはなっているのですが、「浅く」なってしまっているのかなぁとも。

 100分で、幅広い視聴者層に理解してもらうためには仕方ないのかもしれませんが。

 

 番組の中で伊集院さんが「常に何か批判しようというギアに入ってしまっている人がいて、その人は不幸だろう」とおっしゃっていたこと、そのとおりだと思います。

 その上でこんなことを書くなんて、ボクは当分幸福にはなれないのだろうな。