School of Dog?

ブログというより、昔のホームページみたいな……。

豚の解体を見た日本人とドイツ人の反応が違うのはなぜか?①(問い立て編)/NHK『人間は何を食べてきたか1 肉』

※注:本記事には、豚を解体するシーンが画像として出てきます。苦手な人にとってはショッキングかもしれません。閲覧の際は十分にご注意下さい。

※今のスタイルが出来上がる前の、もう少し気合を入れて記事を書いていた時代のものです。むちゃくちゃ長いのでご注意を……。

 

 

人間は何を食べてきたか 第1巻 [DVD]

人間は何を食べてきたか 第1巻 [DVD]

 

奇跡的に図書館で発見! 「人間は何を食べてきたか」のDVD!

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plainかつて、NHKオンデマンド(過去にNHKで放送された番組を見ることができるサービス)で見た「人間は何を食べてきたか」の第0話がすっごく面白かったと書きました。

 これは、全部見たい!

 でも、NHKオンデマンド(過去のNHKの番組を見られるサービス)には第0話しかない。

 DVDボックスが3万円以上するため、ちょっと足踏み。

f:id:school_of_dog:20151105224444j:plain確か、数か月前にそんな記事を作りました。

 

www.school-of-dog-11111111111.com

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plainそこですっかり諦めていたんだけど、近くの図書館でふらっとDVDコーナーを見たら、何と置いてあったの。

 「人間は何を食べてきたか」のDVDが! 全部!

f:id:school_of_dog:20151105224444j:plainその手がありましたか。

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plainその図書館のDVDコーナー、本棚ひとつ分くらいのスペースしかないのよ?

 「TSUT○YAとか、Ama○onプライムとか、便利なものがあふれているこのご時世。

 いったいぜんたい、町の小さな図書館が何を置いているのかしら。

 いいわ、平成現代人代表として、昭和に取り残された図書館のVTRスペースを覗いて差し上げるわ(笑)」

 なんてチャラけた気持ちだった私をぶん殴りたい。

 今ドラえもんが引き出しから出てきたら、頼むのはタイムマシンね。

f:id:school_of_dog:20151105224444j:plain顔に「グルメテーブルかけ」って思いっきり書いてありますけどね。

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plainさて、せっかく手に入れられた「人間は何を食べてきたか」。

 どうせなら、ガッツリ勉強したいじゃない。

 ということで、ただ見るだけじゃなくて、犬らしく掘り下げて見ていくわよ。

 

(問い立て)なぜ、日本人ディレクターとドイツ人少女の反応はこうも違うのか?

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plainさて、まずは第1話「肉」なわけだけど。

 私はまさに昨日、肉巻きを作って食べたばかりだわ。

f:id:school_of_dog:20151105224444j:plain私も、1日の中では何かしらの形で、動物の肉を食べているような気がします。

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plainでも、スーパーで100g198円とかで並んでいる肉の切り身が、どのようにして作られているかは見えづらいわね。

f:id:school_of_dog:20151105224444j:plain正直、それが元々は動物だということを忘れてしまいそうなくらいです。

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f:id:school_of_dog:20151105224445j:plain今回の「人間は何を食べてきたか」は、否が応にも「私たちが食べている肉というのは、元は私たちと同じ哺乳類の動物なんだ」ということを実感させてくれるものよ。

  一番印象的なのはやっぱり、DVDパッケージにもなっている豚の解体シーンね。

 これは、西ドイツ(当時)のアリツハイムに住むビュットナー家で行われているもの。

 画像で説明するわね。

 

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f:id:school_of_dog:20150803102459p:plain畜舎から豚が一頭出て来る。この豚は、120kgのオス。ナレーション「ビュットナー家では、1年に4回豚を潰し、肉と保存用の加工品を作る」。ん? 「潰し」って、なんちゅう表現を使うんじゃ……と思っていると……。

 

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f:id:school_of_dog:20150803102459p:plain豚は逃げようとしているが。

 

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f:id:school_of_dog:20150803102459p:plain急に、動画ではなく静止画になる。壊れたかと思った。豚に何かを注射するシーン。3枚くらい静止画が切り替わり、動画に戻った時には豚は死んでいる。「殺す」シーンを動画にして教育テレビに流すことは、NHKのタブーなのかな。

 

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f:id:school_of_dog:20150803102459p:plain血をバケツにためたり、豚の毛を処理したりした後、内臓を引っ張り出す。膀胱を膨らませたり、大腸を洗ったり、頭部を割ったりと、豚の処理は続いていく。

 

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f:id:school_of_dog:20150803102459p:plain番組でも言っているとおり、肉を食べるということの前には必ず屠殺(とさつ)があるということを実感させてくれる。

 

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f:id:school_of_dog:20150803102459p:plain作業開始から1時間。汗だくで作業を続ける。

 

f:id:school_of_dog:20151105224444j:plainなるほど。

 私は大丈夫ですが、これは確かに、ショッキングかもしれませんね。

 どんなにグロテスクな映画でも「作り物」ですが、これは「本物」ですもんね。

 私がかつて勤務していた学校で、自由参加で放課後に動物の解剖実験が行われた時、「気分が悪くなった」と実験を抜け出した生徒が何人かいました。

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plainさて、この動画を見ていて、ちょっと気になったところがありました。

 NHKの女性ディレクター(20代?)と、ビュットナー家の娘・ドーリスちゃん(10歳)の反応の違いです。

 

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f:id:school_of_dog:20150803102459p:plainNHKのD。途中で目をそらしたように見えます。

 

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f:id:school_of_dog:20150803102459p:plainそれに比べて、どうですこの貫禄。ガムをくっちゃくっちゃしながら、ポケットに手をつっこみ、ふらふらーっと解体を見に来ています。その様子は、まるで日本の台所で料理をしているお母さんを見ている娘。

 

f:id:school_of_dog:20151105224444j:plainドーリスちゃん、まったく動揺していない。

 すごい。

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plainなんでも、ドーリスちゃんは毎日豚の世話をしているんだどか。

 親身に世話した豚が解体されて、その肉を毎日食べている。

  一方、ドーリスちゃんの倍以上生きているディレクターは直視できない。

 ドーリスちゃんと私たちの間には、「慣れ」だけでは説明できない何かがあるような気がしてならないのです。

 この違いって何なの!?

f:id:school_of_dog:20151105224444j:plain言われてみれば確かに、気になりますね。

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plain気になったので、一冊の本を注文してしまいました。

 鯖田豊之さんの『肉食の思想』

 初版は1966年というロングセラーです。

 

肉食の思想―ヨーロッパ精神の再発見 (中公新書 (92))

肉食の思想―ヨーロッパ精神の再発見 (中公新書 (92))

 

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plain鯖田さんは、竹山道雄さんの『ヨーロッパの旅』という本を引っ張ってきて、まずこういう事例を紹介しているわ。

 戦前からヨーロッパ旅行をしてきた竹山は、フランスで何度も肉を食べてきた。フランスの肉料理は、日本の肉料理とは全然違う。首から上だけの雄鶏(おんどり)、仔牛の面皮、ウサギの丸煮、羊の心臓や脳髄。それらは旨かったのだが。

 フランスのとある家庭での会食で、血だらけの豚の頭が出た。竹山は思わず、「どうもこういうのは残酷だなあ……」と漏らす。

 すると、ひとりのお嬢さんが言う。「あら、だって、牛や豚は人間に食べられるために神様がつくってくださったのだわ」。そして、豚の頭をナイフで切るのだ。彼女は、豚の頭を食べることに対する心のブレーキを持っていないようで、竹山が躊躇するのを見てキャッキャと笑っている。

 そこで竹山が、「日本人は昔から生類を憐れみました。小鳥くらいなら、頭からかじることはあるけれども」と言うと、会食の参加者は一斉に恐れと怒りの声を上げた。

 「まぁ、小鳥を! あんなにやさしい可愛らしいものを食べるなんて、なんて残酷な国民でしょう!」

 

f:id:school_of_dog:20151105224444j:plain……何だか、日本人の私にとってはイマイチ理解できない話です。

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plainさっきの、ディレクターとドーリスちゃんの反応があまりにも違うことに関する謎を解く鍵をこのエピソードは持っていそう。

 『肉食の思想』を読みながら、ちょっと考えてみようかなって。

f:id:school_of_dog:20151105224444j:plain結構なガチ記事になりますね。

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plain超ヒマな方は、よろしければお読み下さい。

 

(考察)なぜ、日本人ディレクターとドイツ人少女の反応はこうも違うのか?

f:id:school_of_dog:20150803102459p:plain続けて書くと長いので、別記事へ。

www.school-of-dog-11111111111.com