School of Dog?

ブログというより、昔のホームページみたいな……。

有ることの有り難さを知る/NHK特集「永平寺」

 

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福井県にある吉祥山永平寺は道元禅師(1200-1253)により開かれました。曹洞宗の大本山で参禅道場です。道元は修行を「只管打坐」(しかんたざ=ただひたすらに坐ること)と説き、日々の生活ひとつひとつが修行だと教えました。番組では、山内にカメラを持ち込み、午前4時半から午後9時まで、厳しい寒さの中で修行を続ける雲水の姿を中心に、永平寺の冬を紹介します。第29回イタリア賞受賞(ドキュメンタリー部門)。 

 

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plain永平寺の修行、それも一般人が参加できる体験のようなものではなく本当の修行の様子を見ることができるのは、やはり映像のすごさですね。

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plainこういうドキュメンタリーには、本1冊分以上の情報量が詰まっているんじゃないかって思うわ。

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plainこの番組、「有」や「動」に慣れすぎてしまっている現代人には、ちょっと辛いかもしれません。

 10秒くらい、坐禅をし続ける雲水(修行僧)の横顔が映り続けるような、そんなカットばかり。

 派手な演出はもちろん、カメラの移動も、BGMもない。

 そこにあるのは「静」です。

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f:id:school_of_dog:20151105224445j:plainノイズキャンセリングのヘッドホンを使って視聴したからか、静寂さや荘厳さが際立っていたように感じたわ。

 これがテレビで放映されていたとしても、よほどのもの好きでもない限りチャンネルを変えてしまうことでしょう。

 民放ではなく、NHKだからこそできる番組なのかも。

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plainさて、永平寺は、曹洞宗の大本山です。

 福井県にありますね。

 福井駅前からバスに乗ること、30分で着きます。

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plain山川の日本史用語集では、曹洞宗はこう説明されているわよ。

 

 唐僧の洞山良价(とうざんりょうかい)と弟子曹山本寂(そうざんほんじゃく)を派祖とする禅宗の一派。1227年、道元が南宋から伝えた。教義は坐禅そのものが仏法であるとして、只管打坐(しかんたざ)を説き、臨済宗と異なり公案を用いない。地方の土豪・農民に普及した。

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f:id:school_of_dog:20151105224443j:plain只管打坐とは、ただひたすらに座禅をするという意味です。

 この番組でも、マイナス10℃の中で座禅をしている雲水がたくさん映ります。

 なんでも、煩悩にとらわれると座禅をしている体が前に傾くのだとか。

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plain番組の最後でも言われていることだけど、曹洞宗の極意は頭ではなく体で会得するものなのよね。

 確かに、頭で考えると不思議なことがあったわ。

 永平寺では、雲水は1日に1,500kcalほどしか摂取しない。

 これは、戦後の食糧難の時代と同じようなもの。

 だけど、雲水はやせ細っているわけではないのよ。

 修行の中で脳は動きまくるはずだから、カロリーも消費されるはずなんだけど……。

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f:id:school_of_dog:20151105224443j:plain最初は脚気になるものの、だんだん体が慣れてくると、若い雲水たちが話していましたね。

 その理屈で言えば、私たちの体は「有ること」や「なんでも欲望が叶うこと」に慣れすぎてしまったのかもしれません。

 有って当たり前と感じてしまえば、見えなくなってしまうものもあることでしょう。

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plain「人間は何を食べてきたか」もそうだけど、この頃のNHKは、高度成長期の中で失われたものをもう一度考えさせるという使命に燃えていたのかもしれないわね。

 ちょっとだけ、有ることの有り難さに気付けた気がする。

 濃い50分でした。

 

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f:id:school_of_dog:20150803102459p:plain福井駅から30分。深山幽谷の永平寺。

 

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f:id:school_of_dog:20150803102459p:plain番組冒頭では、命がけで道を求める覚悟のないものは、門の中に入れないと紹介されている。

 

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f:id:school_of_dog:20150803102459p:plain階段を駆け上がり、掃除をする雲水たちが紹介されていた。短時間で、広い境内をピカピカにしなければならない。この時だけは音を立て、エネルギーを発散してもいいのだとか。確かに、細かいところまでほこりが取り除かれていたのを覚えている。