School of Dog?

犬も歩けば棒に当たる

草野心平の生涯と詩(福島県いわき市)

草野心平

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plain突然だけど、↓の写真は何に見える?

 

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f:id:school_of_dog:20151105224442j:plain居酒屋……じゃないの?

 なんだかメニューが独特だけど。

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainそう、居酒屋なんだ。

 居酒屋なんだけど、ただの居酒屋じゃないんだぞ!

 どの辺がただの居酒屋じゃないか?

 まずひとつに、この居酒屋を経営していたのは詩人なんだ。

f:id:school_of_dog:20151105224442j:plain詩人って居酒屋経営もするのかしら。

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainそしてもうひとつ、この写真は実は、その詩人に関する記念館の中で撮ったものなんだ。

 つまり、居酒屋を再現した展示だぞ。

f:id:school_of_dog:20151105224442j:plain言われてみれば、たしかに奥の壁に説明書きみたいなのがあるわね。

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainさぁ、その詩人こそ、草野心平だ!

 彼がやったことは詩作だけじゃない。

 宮沢賢治の発見者。

 同人誌の編集者。

 焼き鳥屋・居酒屋・バーの経営者。

 そして、地球上のすべての動植物と一緒に生きていく強い共感性の持ち主。

 いくつもの側面から、草野心平は語られるのだ。

f:id:school_of_dog:20151105224442j:plain草野心平というと、カエルのイメージしかなかったわ。

 ほら、よく国語の教科書に載っている……。

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plain「春のうた」だよな。

 「ケルルン クック」で有名だ。

f:id:school_of_dog:20151105224442j:plainなんだか、インパクトに残る詩よね。

 だけど、草野心平を「カエル」の一言で片付けるのはもったいない気がしてきたわ。

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainそこで、今回はまず草野心平についてちょっと勉強したあと、実際に福島県いわき市にある草野心平記念文学館に行ってみようと思う!

 

 

草野心平ってどんな人?

草野心平と詩との出会い

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainまずは基本的なところからということで、詩に出会うまでの草野心平の生涯を簡単に追っていこう。

 草野心平は、1903年に今で言う福島県いわき市に生まれた。

 子どもの頃の草野は、超ワンパク!

 本を食いちぎり、鉛筆をかじり、人に噛みつきまくったんだってさ。

f:id:school_of_dog:20151105224442j:plainどこの小学校にもいるわよね、そういう子。

 そして、そういう子が何か大きなことを成し遂げたりするのよ。

 結局、行動力とか感性って大切な気がするわ。

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plain素直に家のドアから入らず、家の柱を通ってベランダによじ登り、そこから家に入ったりするやつとかいたよな。

 さて、その後はワンパクっぷりが高じて、旧制中学校の先生に反抗しすぎ、先生を辞めさせるにまで至ったとか。

 先生いびりと成績低下が原因で、草野さんはいわきの学校を辞め、慶應義塾普通部に編入した。

f:id:school_of_dog:20151105224442j:plainさらりと慶應に入ったわね。

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainでも、東京で一緒に暮らしていた両親とそりが合わず、草野さんは中国へ留学に行く。

 その留学先で、草野さんは「詩」と出会うんだ。

f:id:school_of_dog:20151105224442j:plainえ、草野さんの詩って、中国の詩がルーツだったの?

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainいや、草野さんに影響を与えたのは、おそらく日本の詩だよ。

 亡き兄が詩を書いていたノートや、村山槐多(かいた)という詩人(画家)の詩集に感化されたんだ。

 「詩とは面白いものだ。詩は男子一生の仕事としても恥ずかしくないものだ」と考えたらしい。

 

草野心平にまつわるエトセトラ

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainさて、このレベルで詳しく草野心平の生涯を追っていくと大変だから、こっからはさらっと行くよ。

 1928年、カエルにまつわる詩を収めた『第百階級』を出版する。

 だけど、100部刷って注文があったのは3冊だけだ。

f:id:school_of_dog:20151105224442j:plain今は高く評価されているのだろうけど、当時としては無名だったのね。

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainその後、カエルの詩で草野さんは読売文学賞を受賞したんだけどな。

f:id:school_of_dog:20151105224442j:plainえ、すごいじゃない!

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainものすごく飛ばしているから一気に評価されたように見えるけど、この間にいろいろな出来事があったんだよ。

 次に、同人誌の編集者としての草野心平について。

 彼は宮沢賢治らを同人誌に誘い、世間に宮沢の才能を紹介しようとしたんだ。

 また、宮沢が亡くなったあとは未発表の宮沢の詩も含めた宮沢賢治全集を編集した。

f:id:school_of_dog:20151105224442j:plainなるほど、今宮沢賢治の詩をたくさん読むことができるのには、草野さんの努力もあるわけね。

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plain文通していただけだから、直接の面識はなかったみたいだけどな。

 だって、草野心平は宮沢賢治のことを、アメリカ式の大農場を経営し、念仏を唱え、ベートーヴェンを聞く人って思っていたくらいだから。

f:id:school_of_dog:20151105224442j:plain宮沢賢治の詩だけを読んでいたら、そういう印象になるのかしら。

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainさて、最後に焼き鳥屋・居酒屋経営の話な。

 まず、「いわき」という名前の焼き鳥屋を1931年に開店した。

 場所は麻布十番だ。

 この頃の草野さんは、職がなく質屋通いをするほどお金がなかったらしいぞ。

f:id:school_of_dog:20151105224442j:plain今まで焼き鳥関係の仕事をしていたわけでもないのに焼き鳥屋に挑戦しようとする、その度胸と根性がすごい。

 東京で「いわき」という名前を掲げて勝負することに、勝算があったのかもしれないわね。

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plain朝に近くの鳥屋から鶏の内臓をもらい、腸から黄色いフンをしぼりだして準備をする。

 夕方から焼き鳥を焼き、商売を始めるんだ。

 焼き鳥は1本2銭。

 腰掛けのミカン箱は、当時親交のあった高村光太郎からもらってきたものだという。

 始発電車の音を聞きながらなんとか帰宅する毎日だった。

f:id:school_of_dog:20151105224442j:plain厳しい時代ねぇ……。

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainその後、出版社の仕事を得たから焼き鳥屋はやめたそうな。

 あとは、居酒屋「火の車」。

 最初に見せた写真が「火の車」を再現したものなんだけど、ここを作ったのはな、読売文学賞をもらった直後だ。

f:id:school_of_dog:20151105224442j:plainえ、賞金は?

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plain10万円と銀時計をもらったらしいけど、すぐに生活費に消えたらしい。

f:id:school_of_dog:20151105224442j:plainさっきから切ない話ばかりなんだけど。

 「火の車」という店名も自虐なのかな。

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plain草野さんは居酒屋「火の車」を、東京都の文京区に作った。

 改めて、下の写真を見てもらおう。

 写真からもわかると思うけど、15人も入れば満員状態だ。

 

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f:id:school_of_dog:20151105224442j:plainやっぱり、メニューが独特ね。

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainメニューはそれぞれこんな意味らしい(小野浩『草野心平―昭和の凸凹を駆け抜けた詩人』より)。

  • 天=特級酒
  • 耳=一級酒
  • 火の車=二級酒
  • 炎=ウィスキー
  • 鬼=焼酎
  • 麦=ビール
  • 泉=ハイボール
  • 息=サイダー
  • 八十八夜=玉露
  • 赤と黒=品川巻き(細長いせんべいにノリをくるっと巻いた、あのおつまみの定番のやつ)
  • 黒と緑=ほうれんそうのおひたしをノリで巻いたもの
  • どろんこ=かつおの塩辛
  • 悪魔のぶつぎり=酢だこ
  • 美人の胴=いたわさ
  • 雑色=おしんこ

f:id:school_of_dog:20151105224442j:plainなんとなく意味が分かるのって、火の車(安いから家計が火の車の人でも飲めるよってこと?)、麦、八十八夜くらいだわ……。

 これって、否が応でも店主である草野さんと会話しないと注文できないシステムね。

 遊び心もあるし、なんだかワタシここの居酒屋に行ってみたいかも!

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainそれは同意だ。

 そして悲報。

 残念ながら、一番気になる「ぴい」の正体がわからなかった。

 ダントツの安さから想像するに、ピーナッツかなぁ。

 

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f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainもうちょっとアップで撮影したものだ。

f:id:school_of_dog:20151105224442j:plainディティールへのこだわりというか、再現度がすごいわね。

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainとまぁ、草野心平は本当に波乱万丈な人生を送ってきたわけなんだよな。

 

草野心平の詩、どんな感じなの?

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainここまで、草野心平の生涯を見てきた。

 じゃあ、肝心の詩はどんな感じなのよ?

 そんな声が聞こえてきそうなので、紹介できる範囲で紹介してみようと思う。

f:id:school_of_dog:20151105224442j:plainやっぱり、カエルの詩が多いの?

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainいや、そうとも限らないぞ。

 草野心平についてほとんど知らない状態で草野心平記念文学館に行き、詩をいくつか読んだら、「生と死」という雰囲気を強く感じたな。

 教科書的には、「人間生命の賛歌をうたう詩風」って説明されているぞ(浜島書店『常用国語便覧』)。

f:id:school_of_dog:20151105224442j:plainマロ先生はどの詩が好き?

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainボクは、「青イ花」って詩が好きだ。

 死の瞬間を切り取った詩だと思う。

 主人公は子ガエル。

 抗えない死への絶対的な諦めと、それでも最期に思い出す母と。

 この子ガエルは今どこにいるのか。

 ヘビの腹の中なのか、三途の川なのか。

 そして、「青イ花」とは何なのか。

 よければぜひ、声に出して読んでみてほしい。

 ゾクっとするから。

f:id:school_of_dog:20151105224442j:plain愛が熱い。

 というか、暑い。

 暑苦しい。

 

 トテモキレイナ花。

 イッパイデス。

 イイニオヒ。イッパイ。

 オモイクライ。

 オ母サン。

 ボク。

 カエリマセン。

 沼ノ水口ノ。

 アスコノオモダカノネモトカラ。

 ボク。トンダラ。

 ヘビノ眼ヒカッタ。

 ボクソレカラ。

 忘レチヤッタ。

 オ母サン。

 サヨナラ。

 大キナ青イ花モエテマス。

(草野心平著・角川春樹事務所編(2010)『草野心平詩集』pp.27-28)

 

草野心平記念文学館に行ってみた

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainさて、以上を踏まえた上で草野心平文学記念館に行ってみよう!

 

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plain↑の地図からも分かる通り、山の中にある。

 車がないと行くのは厳しいんじゃないだろうか。

 

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f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainだって、草野心平記念文学館から見える景色、こんな感じだもの。

f:id:school_of_dog:20151105224442j:plain随分と田舎……失礼、自然豊かなところにあるわね。

 でも、ここで小さい頃の草野さんは自然を学んだんでしょ!

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainなんだか、草野心平の小さい頃の話を聞くと、灰谷健次郎の『兎の眼』を思い出すんだよなぁ。

 

兎の眼 (角川文庫)

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainこれこれ!

 表紙に写っている少年は鉄三っていうんだけど、ハエを宝物にしているんだ。

 大切なハエを入れているビンに触った同級生の子に対して、骨が見えてしまうほどの大怪我をさせちゃったりするんだけど、他の人にはわからなくてもその人にとって大切なものがある、ということを鉄三に学ばせてもらえるんだ。

f:id:school_of_dog:20151105224442j:plainワタシも読んだことあるわ。

 子どもをテーマにした小説の傑作よね。

 確かに、小さい頃の草野さんは鉄三にも通じる部分があるかもしれないわ。

 

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f:id:school_of_dog:20151105224442j:plain展示の方法も凝っている!

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainそう、色々と工夫されているんだけど、押し付けがましくはないんだな。

f:id:school_of_dog:20151105224442j:plainこの記念文学館を作った方々が、草野さんを本当に尊敬して、しっかりと研究しているからできることなんでしょうね。

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainちなみに、この展示は草野心平がカエルや動物につけた「名前」だ。

 ボクは、先にカエルがいて、後からこいつはケルケ、こいつはギムって名前をつけるわけではないと思う。

 草野心平がケルケって名前をつけてやったから、そこにケルケが生まれるんだ。

 名前がつけられなければ、その他のカエル、あるいはその他の動物、あるいはその他の生命、あるいはその他の物質と同じだからな。

 草野心平が名前をつけることで、そいつは唯一無二の存在として生を授かるんだ。

f:id:school_of_dog:20151105224442j:plainソシュールだったかしらね、そんなこと言っていたのは。

 スピッツの「名前をつけてやる」っていうすごいアルバムもあるけど、似たような意味があるかも。

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plain草野心平と草野マサムネ、「草野」つながりだもんな。

f:id:school_of_dog:20151105224442j:plain確かに!すごい!(大のスピッツファン)

 そういえば、ずっと昔、スピッツの歌詞は草野心平にも影響を受けているっていうインタビュー記事を読んだことがあるようなないような……。

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainさっきから脱線しまくりだよな、ボクたち。

 

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f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainこれも、ただの窓ガラスじゃない。

 空に映るように「猛烈な天」という詩が書かれているぞ。

f:id:school_of_dog:20151105224442j:plainあ、ホントね!

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plain他にも凝った展示がたくさんあった。

 総じて、「草野心平=カエル」という知識くらいしかない人がいきなり行っても、草野心平の持つ自然観・死生観を味わうことができるステキな記念文学館だった。

 一方で、草野心平に対する愛が強すぎる人は、展示方法が凝りすぎていて違和感を覚えたりしないかな、なんてこともちょっと思ったけど……。

 

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f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainちなみに、記念文学館の近くにはキレイな川がある。

 そこには大量の水鳥が泳いでいたよ。

f:id:school_of_dog:20151105224442j:plain小さい頃にこんなに自然豊かな場所で育ったら、一生の土台となる感性が磨かれそうね。

 

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f:id:school_of_dog:20150803102459p:plain梅雨になると毎日カエルが家の玄関をふさいでいる。突然飛び跳ねないでくれよな。今度名前をつけてやるから。

 

参考にしたもの

草野心平詩集 (ハルキ文庫)

f:id:school_of_dog:20150803102459p:plain草野心平著・角川春樹事務所編(2010)『草野心平詩集』角川春樹事務所

→ 草野心平記念文学館のミュージアムショップで買いました。この「ハルキ文庫」シリーズは、ステキな詩がコンパクトにまとまっていて大好きです。

 

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f:id:school_of_dog:20150803102459p:plainついでに、しおりも購入。ハサミで切ったのであろうこのガタつく四辺と、鉛筆で書かれた「Shugo ITO」の文字に味を感じますね。

 

草野心平―昭和の凹凸を駆け抜けた詩人 (歴春ふくしま文庫 92)

f:id:school_of_dog:20150803102459p:plain小野浩(2008)『草野心平―昭和の凹凸を駆け抜けた詩人』歴史春秋社

 草野心平記念文学館の学芸員さんが書いた本。この記事の内容は、ほとんど本書を参考に書きました。草野心平の生涯や、作品ごとの解説などが書かれており、愛を感じます。

 

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f:id:school_of_dog:20150803102459p:plainおまけ:マロ先生とカエル。昔、スピッツの「あわ」という曲をイメージして描きました。

栄養ドリンク界の星「ユンケルスター」

ポケモンセンターに行けないのなら、道具を使えばいいじゃない!

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainはぁぁぁぁぁ……。

f:id:school_of_dog:20151105224446j:plain開幕ため息だな。

 どうした?

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainいや、最近少し忙しくて、ちょっと参っていたんだ……。

 ここらで一回、しっかり疲れを取らないといけないなぁと思いつつ、それがうまくできないでいるんだ。

f:id:school_of_dog:20151105224446j:plain俺は疲れたことないけど。

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainブル先生は体力オバケなんですよ。

 さて、疲れについてだけど、体力ってゲームで例えればHP(ヒットポイント)だよな。

 体力を付けるためには、

   ①現在のHPを回復する。

   ②最大HPを増やす。

 この両方をしないといけないような気がする。

f:id:school_of_dog:20151105224446j:plainうんうん。

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plain本来、ボクは②をやっていかないといけないとも思っているんだ。

 でも、さしあたっては①をやらないと、②に移ることもできない。

f:id:school_of_dog:20151105224446j:plainほうほう。

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainで、①なんだけど、考えつくのが睡眠・食事・入浴なんかだよな。

f:id:school_of_dog:20151105224446j:plainちゃんとした睡眠と食事を取ることは、②にもつながるけどな。

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainだけど、これではどうしても回復が追いつかないほど疲れている時はどうするか?

 ポケモンに例えれば、チャンピオンロードにハマって毎日抜け出せず、トレーナー(上司)に目を合わされてはバトルを挑まれ、ポケモンセンターに手持ちポケモンを連れて行くことができない時はどうするか?

 そう、「きずぐすり」みたいな道具を使うよな。

 現実世界における「きずぐすり」は、栄養ドリンクなのである!

f:id:school_of_dog:20151105224446j:plainうーん……、栄養ドリンクかぁ。

 というか、ポケモン例えは世代によっては通用しないぞ。

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainだがしかし、ボクは今回、ポケモンで例え続けるのでよろしくな。

 さて、栄養ドリンクにもさまざまなものがある。

 一番有名なのは「ファイト一発!」で有名なリポビタンD。

 それから、斉藤和義のアリナミンや、くるりのチオビタ。

f:id:school_of_dog:20151105224446j:plainレッドブルやモンスターエナジーも栄養ドリンクに含まれるのかな。

 日本には栄養ドリンクが溢れかえっているな。

 どれだけみんな疲れているんだか。

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plain星の数ほどある栄養ドリンクだが、そんな中でもひときわ強く輝いている一番星がある。

 「ユンケルスター」だ!

 お値段何と4,000円。

 栄養ドリンクとしては相当高い部類に入る……と思う。

 ポケモンで言えば「かいふくのくすり」だ。

f:id:school_of_dog:20151105224446j:plain高っ!

 銭湯8回くらい行けるじゃねえか!

 走って銭湯入れば大体の疲れは取れるんだよ。

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainボクもそう思った。

 けど、ほら、まぁ、何ていうか。

 好奇心と勢いで、気づいたらAma●onで注文してたよね。

f:id:school_of_dog:20151105224446j:plain頼んだのかよ!?

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plain結構前に。

 でも、Ama●onでは2,000円で買えたよ。

 安い!(感覚麻痺)

f:id:school_of_dog:20151105224446j:plain俺なんかはもったいねぇって思っちゃうけど、本当に高いだけの価値があるのか?

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plain今からそれを人体実験するぞ!

f:id:school_of_dog:20151105224446j:plainお前は犬だろ。

 犬体実験、だ。

 

ユンケルスターと生薬

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plain「ユンケルスター」は、1瓶50mL。

 150円で売っているリポビタンDなんかと、量自体は同じだ。

 その割に、箱がでかい。

f:id:school_of_dog:20151105224446j:plainしかも金色だ。

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plain箱を開けると、これまた高級そうなキャップの付いた瓶と説明書が入っている。

 

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f:id:school_of_dog:20151105224439j:plain説明書の一番上には、こう書かれているぞ。

 

 ユンケルスターは紅参、何首烏、イカリソウなど20種類の生薬にビタミン、タウリンなどを配合したドリンクです。

 滋養強壮、肉体疲労時の効果にすぐれた効果をあらわします。

 

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainまた、説明書には「ユンケルスター」に含まれている生薬がズラっと載っている。

 例えば、紅参(オタネニンジンの根)・反鼻チンキ(マムシを乾燥させたもの)・何首烏(ドクダミの根。カシュウと読む)・甘草(カンゾウの根)・ローヤルゼリー(ミツバチの咽頭線で作られる成分)などなど。

f:id:school_of_dog:20151105224446j:plainユンケルってどういうものか全然知らなかったけど、生薬とか東洋医学の考え方を大切にしているみたいだな。

 栄養ドリンクって、カフェインと糖分と化学的に作ったタウリンを合体させたものって印象があったから意外だった。

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainそもそもパッケージが金色なのも、中国で最高の色が金色だかららしい。

 せっかくだから、ユンケルスターについて少し調べてから飲むことにしようかな!

 

漢方・生薬の謎を探る (NHKライブラリー)

f:id:school_of_dog:20150803102459p:plain難波恒雄『漢方・生薬の謎を探る』。生薬について調べるために適当に入手したのだが、実はめちゃくちゃおもしろい本だった。新世界だった。

 

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plain生薬というのは、自然に存在している動物・植物・鉱物などが持っている成分そのものを用いる薬ってことだ。

 これらには、科学的に説明がつかないものもあるかもしれない。

 だけど、難波先生曰く、天然薬物は「人類の長年にわたる試行錯誤から開発されたもの」で、「中には迷信的なものもありますが、まだ近代科学の力の及ばないものが多数存在して」いるという。

f:id:school_of_dog:20151105224446j:plain人類が長年蓄積してきたものも、そう簡単にバカにはできない。

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plain例えば、ユンケルスターに含まれている紅参(高麗人参。ウコギ科。いつもスーパーなんかで買うのはセリ科)も、人類が薬として使ってきた長い歴史を持っているんだぞ。

 難波先生は、こういう例を紹介している。

 隋の文帝のころ、(中国)山西省のある家の裏から、毎日ヒトの呼ぶ声がする。

 誰の声かわからなくて、気味が悪く、住民はノイローゼになっていたんだ。

 ある日、家から少し離れた林に紫雲がたなびいている。

 調べに行くと人参が埋まっており、掘り出すとまるで人間のような形をした人参が出てきた!

 人々は大喜びでこの人参を持ち帰り、村でお祭りを開いたという。

f:id:school_of_dog:20151105224446j:plain文帝といえば、聖徳太子の手紙を見て激怒した煬帝の父親だよな。

 ということは、これは西暦600年くらいの話か?

 かなり古い時代から、紅参が尊ばれていたんだな。

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plain中でも、山西省の紅参こそが本物らしいな。

 本物かどうかを確かめるためには、2人の被験者を呼び、一方に山西省の、他方にそうではない人参を食べさせマラソンさせると、偽物(?)を食べた方は必ず息が切れるんだとかいう実験をしてきたらしい。

f:id:school_of_dog:20151105224446j:plain(それって、被験者の能力次第なんじゃ……)

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainあ、あと、最近中国で100年モノの紅参が採取されて、香港の業者が2,000万円で買ったらしいぞ。

f:id:school_of_dog:20151105224446j:plain2,000万円!!

 え、ユンケルスターに入っている紅参は山西省産なのか?

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainいやいや、ユンケルに使われている紅参の産地は、韓国・中国・北朝鮮・日本(長野・福島・島根)って書かれているよ。

 本当に山西省の最高級紅参が使われていたら、4,000円で買えるはずない。

f:id:school_of_dog:20151105224446j:plain確かに。

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plain日本の歴史でも、紅参の効果は折り紙つきとして知られていた。

 いや、知られすぎていたと言うべきか。

 紅参の薬効は必要以上に喧伝されて、病気の親のために高価な紅参を入手しようとした息子・娘も多かったらしい。

f:id:school_of_dog:20151105224446j:plainあんまり東洋医学の世界を知らなかったけど、歴史・民俗学的な意味でも面白いな。

 思えば、病気って人間から切り離すことができないもんな。

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plain難波は他にも、色々な生薬を紹介している。

 例えば、ユンケルスターには入っていないけど「牛黄」という生薬がある。

 牛の胆石なんだけど、オーストラリア産の牛黄は同じ重さの金の3倍以上の価値があるんだとか。

f:id:school_of_dog:20151105224446j:plainこれまた、すごい高級品だな。

 でも、胆石って病気なんじゃないのか?

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainその通り!

 だから、牛の飼育技術が発達すれば牛黄の供給は低下するんだ。

 難波先生が調査したところ、1日に何千頭もの牛を処理する工場で、牛黄を持っている牛は0.1%もいなかったとか。

f:id:school_of_dog:20151105224446j:plain生薬って、手に入れるのが大変なんだなぁ。

 それを思うと、ユンケルスターが4,000円するのはそれなりの意味があるんじゃないかと思えてきたわ。

 

f:id:school_of_dog:20170530201713p:plain

▲ユンケルの公式HPより。含まれている生薬を詳しく解説している。

 

いざ! 「かいふくのくすり」こと「ユンケルスター」実飲!

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainさて、いよいよ実飲!

 被験者、いや、被犬者の状況は、時期柄もあるのだけど、ひとことで言えば割とボロボロ。

f:id:school_of_dog:20151105224446j:plain顔色が土色だったのはそのせいか。

 ちなみに俺は、毎日ぐっすり8時間睡眠だ。

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plain今日は、ちょっと頑張って乗り越えないといけない日なんだ。

 これは、冷蔵庫で眠っているユンケルスターを飲もうと決めたぞ。

f:id:school_of_dog:20151105224446j:plainおお、ついに飲むのか。

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plain実は購入したの結構前なんだけど、ここぞって日に飲もうと決めていたんだ。

 じゃあ、いよいよ飲む!

 

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f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainマロ先生、ユンケルスター摂取中……

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f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainうん、まず味についてな。

 一口目、「あ、これ薬だ」という感覚に陥る。

 おいし……くはない!

 でも、飲めないことはまったくない。

 意を決して、ぐっと一気に飲み干す。

 濃厚。

 うーん……、何だかこれに似た味のお菓子(?)を食べたことがあるような気がするんだけどなぁ。

 麩菓子、だっけ?

 あれ、はちみつ、だっけ?

 味についてはそんな感じだぞ。

f:id:school_of_dog:20151105224446j:plainひどいな。

 まったく伝わらない。

 もっとこう、「味の宝石箱やー」みたいな、表現に工夫を凝らせなさいよ。

 それじゃあ、食レポ界でやっていけないぞ。

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plain別に、食レポで生きていこうとしているわけじゃないわい!

 さて、ブル先生とくっちゃべっていたら10分が経過。

 ただちに何かが変わる感じはないなぁ。

 即効性については、リポビタンDの方が強いくらいだ。

 とりあえず、仕事に行くとしようかな。

f:id:school_of_dog:20151105224446j:plain自分の体で効果を実験してくれい。

 

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f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainマロ先生、仕事中……

f:id:school_of_dog:20160216082933j:plain

 

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainただいま。

f:id:school_of_dog:20151105224446j:plainおう、おかえり。

 どうたったよ?

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainまぁ、おかげさまで何とか乗り切れたよ。

 で、肝心のユンケルスターの効果なんだけど。

 削られたHPを大きく回復する効果……は感じられなかった。

 だけど、HPの最大値が100だとしたら、25より下には減らさないようにキープしてくれるような効果は大いにあった。

f:id:school_of_dog:20151105224446j:plainポケモンでいえば、「かいふくのくすり」にはならないけど、「こらえる」が永遠に成功し続ける、みたいな?

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainそうそう。

 つまるところ、最後のところで踏ん張る力は湧いてきたってことだな。

 あと、関係あるのかないのか分からないけど、便通がものすごくよくなった。

 仕事中やばかった。

 危うく、人間としての尊厳を喪失するところだった。

f:id:school_of_dog:20151105224446j:plainアンタ、人間じゃないでしょ。

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainはい、ということで結論です。

 まず、ユンケルスターは、メーカー希望小売価格である約4,000円の価値があるか?

 1回では判断しきれないし、人によって違うのだろうけど、ボクとしては「4,000円としての価値はない」と思う。

 ユンケルスターは、4,000円あったらできる他の疲労回復手段(栄養のあるものを摂る・銭湯に行く・マッサージに行く・泳ぐなどなど)を大きく凌駕する疲労回復手段ではないと感じたからだ。

 で、Ama●onで約2,000円で買えるわけだけど、こっちはどうか?

 すっごく悩むところなんだけど、多分これを飲んだ日は倒れることはないと思う。

 だから、その日を乗り越えられないことによって2,000円以上の損失を生んでしまうのであれば、飲んでもいいんじゃないかな!

f:id:school_of_dog:20151105224446j:plainシチュエーション次第だよな。

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainカフェインと糖分でゴリ押すタイプの栄養ドリンクとは違って、生薬は薬だ。

 その場しのぎ以上の意味はあると思う。

 だけど、栄養ドリンクを飲んだから万全になるわけではないことにも注意が必要だぞ。

 

f:id:school_of_dog:20170618002226j:plain

f:id:school_of_dog:20150803102459p:plainやっぱり栄養ドリンクって言ったら「ファイト一発」が思い浮かんでしまうのであって。でも、シチュエーション次第では、ユンケルスターありです。2,000円で限界を超えられるのだから。

遠野物語(岩手県遠野市)

f:id:school_of_dog:20151105224441j:plain先ほど、「妖怪のせいなのね」と検索しようとしたら、候補に「妖怪のせいなのね 責任転嫁」と出てきました。

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plainチャイルディッシュな「妖怪のせいなのね」に、アダルトな臭いがぷんぷんする「責任転嫁」という言葉がくっつくと、途端にアンバランスになりますね。

f:id:school_of_dog:20151105224441j:plainどうも、何でも妖怪のせいにする小学生が急増して、嘆いている大人たちがいるらしいですよ。

 あぁ、私もその言い訳が使える時代に生まれていたかった!

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plain妖怪言い訳は子どもの特権であり、大人が同じことを言うとえらいことになります。

 職場でミスした時に「でも、実は私のせいではなく、妖怪のせいなのです」なんて言った日には、マッハ10で首が飛び、妖怪ヒキコウモリになってしまうことでしょう。

f:id:school_of_dog:20151105224441j:plainでも、この現象って裏を返せば、科学が浸透した現在でも、科学的に説明できない、目に見えない力をみんなどこかで信じているってことですよね。

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plain確かに、その通りですね。

 かつて、「近代」や「科学」がドカッと押し寄せ、それまで当たり前だった前近代的で非科学的な世界観とどう折り合いを付けたらいいのか、人々が悩んだ時代がありました。

f:id:school_of_dog:20151105224441j:plain明治維新のことですか?

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plainはい。

 近代化の波が押し寄せる中で、これまで人々が信じてきた「目に見えないもの」や「科学的に説明ができないもの」をまとめておこうとした偉人がいます。

 その人の名は、柳田國男(やなぎだ くにお)。

 今日は、柳田國男について書いてみようかと。

 

dic.pixiv.net

f:id:school_of_dog:20150803102459p:plainどうでもいいですが、「引きこもり 妖怪」と検索してみたら、妖怪ウォッチにそういうキャラがいたので笑いました。

 説明文は、次の通り。

 「ヒキ!」

 いつも部屋の中でパソコンをしてるヒキコウモリ、勢い余って強く押したエンターキー、へこんじゃったそうです!

 「一歩も外に出~たくな~いウチの中がユートピア~!」

  あれ、子ども向けって何でしたっけ。

 悪意ありすぎ(多分、褒め言葉)。

 

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f:id:school_of_dog:20151105224443j:plain柳田國男(1875~1962)は、「日本民俗学の創始者」と言われています。

f:id:school_of_dog:20151105224441j:plain民俗学ってよく聞くけど、どういう学問ですか?

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plain民俗学は、風俗や習慣、伝説、民話、歌謡、生活用具、家屋など古くから民間で伝承されてきた有形、無形の民俗資料をもとに、人間の営みの中で伝承されてきた現象の歴史的変遷を明らかにし、それを通じて現在の生活文化を相対的に説明しようとする学問である。(Wikipedia先生)

f:id:school_of_dog:20151105224441j:plain生活やら思想の奥底にあるものを調べて保存しようとする学問……ということでしょうかね。

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plainさて、柳田は、東京大学法学部を出て、農商務省(現在の農林水産省・経済産業省の前身)の官僚になりました。

 要は、エリートなわけです。

 小さい頃に飢饉を経験したため、農業の仕事に就いたとか。

f:id:school_of_dog:20151105224441j:plain民俗学の対象とする「何でもない庶民の生活」とは縁遠そうな地位ですね。

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plainそんな柳田が、何で民俗学の世界に入ったのか。

 1908年、柳田は九州・四国で講演旅行をしました。

 そこで、色々な人の話を聞き、自分が学んできた机上の知識だけでは社会を何とかできるわけではないことに気付いたといいます。

f:id:school_of_dog:20151105224441j:plainなるほど。

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plainそして、柳田は岩手県遠野出身の研究者(当時は作家を目指す早稲田大学の学生)である、佐々木喜善(ささき きぜん)と出会います。

 佐々木は、小さい頃から遠野に伝わる民話、つまり物語を聞いて育ちました。

 その民話を佐々木が語り、柳田が書き取ってまとめました。

f:id:school_of_dog:20151105224441j:plainあ!

 それが、有名な『遠野物語』ですね。

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plainきっと、遠野が特に優れた民話を生み出していた地域……というわけではないのでしょう。

 日本全国、いたるところで、民話は語られていたはずです。

 遠野に関しては、優れた民話収集家の佐々木と、強い問題意識を持った柳田がいたため、こうして有名な作品として残っているわけです。

 『遠野物語』、今読んでみても、結構面白いと思いますよ。

 

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f:id:school_of_dog:20151105224443j:plain『遠野物語』は、青空文庫で読むことができます。

 以下にリンクを貼るので、ちょっと開いてみて下さい。

 

柳田国男 遠野物語

 

f:id:school_of_dog:20151105224441j:plainまず、冒頭の「この書を外国に在る人々に呈す」という言葉は、きっと比喩ですよね。

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plain文字通り外国にいる人を指しているのではないでしょう。

 明治維新後、かつて信じてきた「目に見えないもの」や「科学で説明できないもの」を忘れようとしている日本の人たちに、何かを問いかけているように見えます。

f:id:school_of_dog:20151105224441j:plainそれから、青空文庫に掲載されている原典で読めないことはありませんし、柳田國男さん自身の言葉には趣があるように思えますが、それでも通して読むのは大変でしょうね。

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plainそうですね。

 もう少し、読みやすくなっている本もたくさん出ていますよ。

 例えば、私は遠野に行って見る前にこれを読みました。

 非常に読みやすいです。

口語訳 遠野物語 (河出文庫)

口語訳 遠野物語 (河出文庫)

 

 

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plainそれから、故・水木しげる氏も『遠野物語』をマンガ化しています。

水木しげるの遠野物語 (ビッグコミックススペシャル)

水木しげるの遠野物語 (ビッグコミックススペシャル)

 

f:id:school_of_dog:20151105224441j:plain水木しげるさんと『遠野物語』は、相性が良さそうですね。

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plain水木しげる氏の、柳田國男に対する敬意が感じられる作品になっています。

 変な脚色がなされていない。

 それに、最後には水木しげる氏が夢の中で柳田國男に会い、会話するシーンもあります。

f:id:school_of_dog:20151105224441j:plain水木しげる氏といえば、妖怪ですからね。

 柳田國男さんのことを、さぞ尊敬していたことでしょう。

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plainさて、私は遠野物語の魅力は「キャラクター」だと感じました。

 座敷わらし、河童、オシラサマ、大坊主……。

 魅力的なキャラがたくさん出てきます。

 その中でも人気のあるお話のひとつに、「鉄」という豪傑と、子どもを殺された母オオカミが戦うというものがあります。

 ある日、飯豊村(いいでむら)の村人が山に萱(かや)を刈りに行った帰り、穴の中にオオカミの子ども3匹を見つけます。

 この村人、オオカミが成長して村に被害を及ぼすと怖いので、2匹を殺し、1匹を持ち帰りました。

f:id:school_of_dog:20151105224441j:plainかわいそう……ですが、昔の人はそれだけオオカミを恐れていたということですよね。

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plain村人が子オオカミを殺した日から、村にはオオカミの被害が出るように。

 村の馬が、毎日毎日オオカミに殺されるようになってしまったのです。

f:id:school_of_dog:20151105224441j:plain復讐ですね。

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plain困った村人は、オオカミ狩りを決行。

 力自慢の男たちで、オオカミを探しに行きます。

 しばらく歩くと、突然メスのオオカミが一匹、男たちに襲い掛かってきました。

 このオオカミこそ、子を殺された母オオカミだったのです。

 立ち向かったのは、「鉄」という若者。

 鉄は、腕を噛まれながらも、母オオカミの腹の中まで腕を伸ばします。

 腕を噛み砕く母オオカミと、懸命に戦う鉄。

 鉄のピンチにも関わらず、周りの男たちは見守っているだけです。

 とうとう母オオカミは、その場で力尽き死にました。

 一方、鉄も担がれて村に帰りましたが、ほどなく死んでしまうというお話です。

f:id:school_of_dog:20151105224441j:plainなるほど。

 どちらかが勝つのではなく、両方死ぬというところに、何かを感じますね。

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plainちくまプリマー新書『遠野物語へようこそ』では、次のように説明されています。

 本来、もの凄い強い男である鉄がオオカミに勝つ、というのが説話の力学である。

 しかし、そこに母オオカミの愛情が加わってくると、展開は変わってくる。

 もの凄い強い鉄と対等に戦えば戦うほど、母の愛情が強調されるのである。

 周囲にいた人も、鉄を助けることはできたはずである。

 しかし、それをしない。

 豪傑と慈母との世紀の一戦を語り継がなければ、と思ったのではないだろうか。

 

遠野物語へようこそ (ちくまプリマー新書)

遠野物語へようこそ (ちくまプリマー新書)

 

 

f:id:school_of_dog:20151105224441j:plain面白い!

 でも、ストーリーが面白くないと、長い時を越えて語り継がれることはありませんよね。

 面白くて当たり前なのかも。

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plain遠野物語は、119話まであります。

 ここですべてを紹介することはできませんので、興味がある方はぜひ読んでみて下さいね。

 

【参考】

f:id:school_of_dog:20150803102459p:plain鉄と母オオカミが戦う話、原典の冒頭はこうなっています。

 六角牛山の麓にオバヤ、板小屋などいうところあり。広き萱山なり。村々より苅りに行く。ある年の秋飯豊村の者ども萱を苅るとて、岩穴の中より狼の子三匹を見出し、その二つを殺し一つを持ち帰りしに、その日より狼の飯豊衆の馬を襲おそうことやまず。

 

f:id:school_of_dog:20150803102459p:plain水木しげる氏のマンガでは、こんな感じ。

 割と、原作に忠実なマンガ化がなされていることが分かりますよね。

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新釈 遠野物語 (新潮文庫)

新釈 遠野物語 (新潮文庫)

 

f:id:school_of_dog:20150803102459p:plainそれから、これは世界観だけを使い、ストーリーはオリジナルの、井上ひさし『新釈 遠野物語』です。

 ラッパが上手な犬伏老人に、主人公が物語を語ってもらう、という形でストーリーが進行します。

 短編集ですね。

 グロテスクな話あり、爽快な話あり。

 とにかく、バラエティに富んでいて、「そう来たか!」となる話がたくさんあります。

 遠野旅行のお供に買って読んだのですが、「面白い本だった」と印象に残っています。

 

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f:id:school_of_dog:20150803102459p:plain以下、実際に遠野を訪れた時の写真をば。

 5,000円くらいのデジカメしかなかったので、画質はごめんなさいです。

 そのくせして、画像が激重(げきおも)かもしれません。

 くそう、どうせ必要なんだから、もっと早くカメラに投資すればよかった……。

 

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f:id:school_of_dog:20150803102459p:plain遠野駅へは、盛岡駅から2~3時間で行くことができます。

 

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f:id:school_of_dog:20150803102459p:plain駅を出てすぐ、カッパがお出迎え。

 

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f:id:school_of_dog:20150803102459p:plain遠野観光の中心、伝承園。バスで行った記憶。

 

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f:id:school_of_dog:20150803102459p:plainばあちゃん人形が民話を語ってくれるので、座って聞きます。でも、ほとんど何を言っているのか分からない。最後の「どんどはれ」は、岩手の方言で「めでたしめでたし」の意。

 

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f:id:school_of_dog:20150803102459p:plain遠野物語第14話「部落には必ず一戸の旧家ありて、『オクナイサマ』という神を祀る。その家をば大同(だいどう)という」。写真左がオクナイサマ。桑の木を削って顔を描き、四角い布の真ん中に穴を開け、顔から通して衣装にしています。また、写真右がオシラサマ。オシラサマは養蚕の神、オクナイサマは家の神だそうです。うおおお、オクナイサマが子どもに化けて田植えを手伝ってくれた話とか、馬と美しい娘がまぐわった話とか、色々書きたいけど恐ろしい長さになっちゃうから書けないぃぃぃ。

 

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f:id:school_of_dog:20150803102459p:plain伝承園の中には、御蚕神堂(おしらどう)と呼ばれる建物があり、オシラサマが1,000体展示されています。非常に不気味でもあります。

 

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f:id:school_of_dog:20150803102459p:plain絵馬の要領で、布に願い事を書き、首から通します。私も書きましたが、何を願ったのかは失念。

 

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f:id:school_of_dog:20150803102459p:plain柳田國男が、佐々木喜善から民話を聞き、書き留めています。

 

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f:id:school_of_dog:20150803102459p:plain『遠野物語』の原稿だぁぁぁぁ!

 

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f:id:school_of_dog:20150803102459p:plain河童を探しに行く道中。遠野というと物語ばかり注目されますが、ビールの原料であるホップの一大産地でもあります。

 

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f:id:school_of_dog:20150803102459p:plainキュウリも吊るしてあります。

 

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f:id:school_of_dog:20150803102459p:plain河童発見!……と思いきや、オブジェです。私の力では、本物の河童を見つけることはできませんでした。

 

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f:id:school_of_dog:20150803102459p:plain仕方がないので、雪の上に河童を錬成して帰ってきました。

河村瑞賢「人の成功を喜べる者に、商いの神は微笑む!」/伊東潤『江戸を造った男』

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f:id:school_of_dog:20150803102459p:plainこの記事書いたの8月です。

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plainおや、今日もいい食べっぷりですね。

 どれだけお米食べているんですか。

 私なんて、夏バテ気味だというのに……。

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plain夏バテ?

 何それ、私生まれてから一回もなったことがないわ。

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plain……。

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plainはー!

 これだけ美味しいお米が食べられるのも、農家さんのお陰様々ね。

 感謝、感謝。

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plainお、今、私の社会科スイッチが入りましたよ。

 もちろん、お米を食べられることについては、農家さんにも感謝しなければなりません。

 ですが、他にも感謝する相手がいることを、お忘れじゃないですか?

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plainえ?

 「農家の方に失礼だから、残さず食べなさい!」なんて聞くことはあるけど、他はあまり……。

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plainまぁ、細かく言っちゃえばたくさんあります。

 タネやさんであったり、農機具を作っている会社であったり。

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plain感謝する相手が多すぎて、なかなかいただきますできない。

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plainでも、特に忘れられがちなのは、「お米を私の食卓まで運んできてくれた方」への感謝ですよ。

 つまり、物流です。

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plainあぁー。

 言われてみれば、確かに。

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plain世界は分業でできています。

 人々が地理的・能力的に得意な作業を分担することによって、私たちは豊かな生活を送れるのです。

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plainすべてのものを自分だけで作ることなんて、とてもできないからね。

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plainそして、分業によって作られた成果物は、「運ばれなくては」なりません。

 日本でこの「運ぶ」という制度を本格的に整備したのが、河村瑞賢(かわむらずいけん)です。

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plain日本史の教科書でちらーっと見たことがある人だ。

 でも、詳しくは扱われないよね。

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plain今日は、河村瑞賢について見ていきましょう。

 

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f:id:school_of_dog:20151105224443j:plain江戸時代初期、人々は地方から江戸に集まってきました。

 こうなってくると、江戸周辺だけでは十分な食糧を確保することができません。

 では、江戸はどうやってその巨大な胃袋を満たしていたのでしょうか?

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plainそりゃあ、農作物をたくさん収穫できる地方から運ばせていたんじゃないかしら。

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plainその通りです。

 具体的には、今でいう東北や北陸から、米を運ばせていたわけですね。

 しかし、陸を通って運んでいたのでは、山を越えるのも大変だし、何より重たい。

 そこで、浮力や流れを活用できる海や川を通って物を運ぼうと、こうなるわけです。

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plain今でも、時間がかかるけど、大量に、かつ安価に物を運ぶためには水運が使われるわね。

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plainさぁ、このような物を運ぶための航路を整備したのが河村瑞賢です。

 教科書に登場するのは1行だけ。

 「17世紀後半になると、江戸の商人河村瑞賢が、出羽酒田を起点とし江戸に至る東廻り海運・西廻り海運のルートを整備し、江戸と大坂を中心とする全国規模の海上交通網を完成させた」(山川出版社『詳説日本史B』)。

 

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f:id:school_of_dog:20151105224443j:plain河村瑞賢の人となりや、彼の成した功績について分かりやすくまとめている本があります。

 伊東潤『江戸を造った男』です。

 

江戸を造った男

江戸を造った男

 

 

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plainこれは、時代小説かしら?

 500ページくらいの、分厚い本ね。

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plain時代小説?

 いえ、この本の正体は、「時代小説の体を取ったビジネス書・自己啓発本」です!

 河村瑞賢(七兵衛)の商人としての活躍を通して、リーダー論・交渉術・プロジェクトマネジメントなどを学べます。

 私なんかは、付箋を貼りながら読んでしまいました。

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plain『夢をかなえるゾウ』に似たスタイルなのかな。

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plainあれとは、ずいぶん違いますけどね。

 さて、この小説の中で描かれる七兵衛は、(ネタバレになると嫌なのであまり詳しく書きませんが)数々の苦悩に直面しつつも、折れないで戦い続ける芯の通った男です。

 と同時に、決して驕ることのない優しい男でもあります。

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plain小説の主人公としては魅力的な設定ね!

 頼りになりそう。

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plainこの小説、特に前半がめちゃくちゃ面白い。

 エンタテインメントとしても、歴史の勉強としても、ビジネス書としてもオススメです。

 

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f:id:school_of_dog:20151105224443j:plain肝心の、航路開拓の話に戻りましょう。

 地図を見ないと分かりづらいかもしれませんが、例えば西廻り航路を整備する前は、酒田(現在の山形県)から次のようなルートで米を運んでいました。

 酒田 → 敦賀・小浜(陸路に切り替え。馬の背に載せて運ぶ) → 琵琶湖(舟に載せる) → 大津(陸路に切り替え) → 大坂で売る → 伊勢(船に載せる) → 江戸で売る。

 (あ、地図を見るついでに、海運について考える時は海流まで考慮に入れないとダメだということをお忘れなく!)

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plainこれはものすごくムダの多いルートじゃない?

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plainそのせいで、江戸までたどり着く米は少なく、しかも高い。

 江戸の人々は貧しくなっていく一方です。

 そこで、七兵衛は現在の関門海峡を廻って、ずーっと海を通ってくるルートを考えます。

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plain確かに、遠回りのように見えて、積み替えを何度もしなくていいから楽かもしれない。

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plainですがこれ、そう簡単なことではありませんよ。

 頑丈な船を造ったり、難所を通ることができる知識・技術のある船手(船の操縦者)を探したり、抜け荷(勝手に船の米を売ってしまうこと)を防止したり、やるべきことはたくさんあります。

 そこを乗り越えるのが七兵衛の商才!

 彼は、若き日から商売を通して培ってきた手腕をいかんなく発揮し、諸制度を整えていくのです。

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plainかるーいノリで、「今度から、関門海峡の方を通ってよ★」では済まないのね。

 歴史の授業で「西廻り海運を整備した」と聞いてもよく意味が分からなかったけど、これでなんとなく理解できたわ。

 

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f:id:school_of_dog:20151105224445j:plainさっきから話を聞いていて、ずっと気になっていたのがさ。

 七兵衛は、いわゆる公務員でも、為政者でもないわけよね。

 なんで、「すべての人がご飯を食べられるように、海運を整備しよう!」なんて公益事業を行ったの?

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plainそれは、七兵衛の底に流れている一つの哲学が関係しているのだと思います。

 七兵衛は、作中でこんなことを考えています。

 「人の成功を喜べる者に、商いの神は微笑む。それこそは、七兵衛が長年の経験から会得した真理である」。

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plainふむふむ。

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plain以前、何かの本で読んだのですが、誰かが大成功してお金を儲けた時、普通の人は嫉妬してしまうのに対し、七兵衛は大いに喜んだといいます。

 なぜなら、その人が豊かになることで、世の中の金回りが良くなり、巡り巡って七兵衛自身も豊かになるからだ、と説明されていました。

f:id:school_of_dog:20151105224445j:plain別に七兵衛は、道徳で公益事業をやっているだけではないということね。

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plainこの本を読む限り、七兵衛は人道的な男です。

 ですが、七兵衛が公益事業を行ったのは、何も人道・道徳に拠ってだけではない。

 他者の利益を考えられてこそ、自己の利益も大きくなる。

 一見ドライなように見えて、愛とか道徳を行動原理にしていない七兵衛が、結局人々を幸福にできているところがポイントです。

 これこそが、この作品の軸になっているのだと思いました。

 

 

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f:id:school_of_dog:20151105224443j:plain作中、ある男が七兵衛と商談しながら、次のようなことを言っています。

 「あんたは、新しい商人のあり方を作りつつあるのだ」

 七兵衛は問い返す。

 「新しい商人とは、どういうものですか」

 「目先の利にこだわらず、大局観を持ち、互いの利を考える。また己のためではなく、他人のために役立つ仕事をする。つまり――」

 その男は、顔を近づけてきてこう言った。

 「まだ育っていない鮪(しび)は海に流す。これが漁師の掟だ。その鮪は、大きくなっても自分の手に入ることはない。海はこれほど広いからな。それでも漁師はちいさな鮪は海に返す。だからこそ、海の恵みは絶えないんだ。同じように山になる柿の実も、熟していないうちは誰も取らない。それが熟した時、自分に回ってこなくても構わない。この国の者たちは皆、そうしてきた。

 しかし――、商人だけが目先の利にこだわり、『自分さえよければ、後は知るか』といった考えを持っている。それを、あんたは変えようとしている

f:id:school_of_dog:20151105224443j:plainこれはまさに、「共有地の悲劇」の回避方法ではありませんか。

 もちろん、この作品はフィクションであり、このセリフも作者の創作です。

 ですが、持続可能な社会が本気で議論されている今日、七兵衛から学ぶところは大きいと思いますよ。

 少なくとも、自分が得られる利益を最大化することが目的であるはずの商人・七兵衛が、国全体の人々の幸福を実現しようと奔走したことは事実なのですから。

 

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このブログについて(立て直し)

"School of Dog?"というブログについて

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plain"School of Dog?"は、犬が勉強したこと、考えたことなどについてしゃべり合うブログだぞ。

f:id:school_of_dog:20151105224441j:plainこんな感じで、基本的に記事は対話形式で進みます。

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainこのブログの元を作ったのは、2013年のこと。

 以来、2017年の今日に至るまで、適当に記事を書いては潰し、書いては潰しを繰り返してきたのだけど……。

f:id:school_of_dog:20151105224441j:plainいい加減、ちゃんとやろうという気持ちになったわけですね。

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainその通り。

 というわけで、ブログ立て直しを図ることにしたんだ。

f:id:school_of_dog:20150803102459p:plain我々は3日坊主なので、立て直しをするのは実に4回目くらいです。

 3日×4回目で、12日坊主になってしまわないように頑張りたいと思います。

 今回は必殺ワザ、Twitter連携を導入したので、何か変わればいいな)

 

ブログの目的

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plain2013年、ボクは思った。

 社会の荒波に揉まれ、身も心もボロボロになる毎日はもうコリゴリだ。

 もっと強くなりたい、と。

f:id:school_of_dog:20151105224441j:plainどこぞの少年マンガみたいなことを言いますね。

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plain強くなるためにはどうすればいいのか?

 もっと本を読めばいい。

 カラダを鍛えればいい。

 色々なところへ出かけてみればいい。

 そうやって、自分の最大HPと最大MPを上げればいいのだ。

 だのに!

 ひとりでそんなことを黙々とやっていても、面白くないのだ!

f:id:school_of_dog:20151105224441j:plainその気持ちは分かります。

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainじゃあ、どうするか?

 答えは簡単。

 衆人環視の状態を作ってしまえばいいのである。

 つまり、ブログに記録していき、公開すればいいのだ。

f:id:school_of_dog:20151105224441j:plain本来はそれ、Twitterとかでやるべきことなんでしょうけどね。

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plainただ、ボクは国語科しか分からない。

 そこで、他の教科を担当している先生たちも呼んで、ブログを開設した次第。

f:id:school_of_dog:20151105224441j:plainメタなことを言えば、各教科を犬で表したら面白そうだなーと思い、キャラクターを作ったのがもう数年前ですよ?

 いつになったら軌道に乗せるんですか……。

f:id:school_of_dog:20151105224439j:plain今回こそは、しっかりやるからぁぁぁぁ。

 ということで、まとめてみよう。

 このブログの目的は、各教科について勉強をし、それに関係あることないことをしゃべり、読者のみなさまと色々共有することだ。

f:id:school_of_dog:20151105224441j:plain「先生」とか書かれているけど、決して、上から目線で「教える」というブログではありません。

 私たちは強くないからこそ、このブログを作ったのです。

 社会の荒波を、犬かきで乗り越えようと、私たちがもがく姿をご覧ください。

  

登場キャラクター

マロ先生(国語)

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f:id:school_of_dog:20151105224439j:plain柴犬。麻呂眉ゆえに、あだ名がマロに。マッチョになりたい。

 

シェパード先生(数学)

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f:id:school_of_dog:20151105224440j:plain読書メインのこのブログでは、どうしても登場回数が少ないことを嘆いている。しっかり者。オシャレ。酔うと壊れる。

 

キャバ先生(英語)

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f:id:school_of_dog:20151105224441j:plain新任。隠れオタク。シーズー先生からは目の敵にされる(若くて、周りがチヤホヤするから)。

 

シーズー先生(理科)

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f:id:school_of_dog:20151105224442j:plainおばちゃん先生。シェパード先生が好き。

 

ヨークシャ先生(社会)

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f:id:school_of_dog:20151105224443j:plainおじいちゃん先生。年齢不詳。登場回数が一番多くなると思われる。

 

スピッツ先生(音楽)

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f:id:school_of_dog:20151105224447j:plain音楽といったら、やっぱりこの犬種でしょう。フライングVを愛するヤバイやつ。音楽についてたくさん書きたいけど、しゃべらないという設定にしてしまった。管理人たちの頭を悩ませる。

 

ダックス先生(美術)

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f:id:school_of_dog:20151105224444j:plainおぼっちゃま。金銭感覚がおかしい。礼儀正しいマジメな犬。

 

ゴールデン先生(家庭)

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f:id:school_of_dog:20151105224445j:plain調理実習ばかりを実施し、教育委員会からにらまれているとかなんとか。食べまくることのできる仕事を探していたら、こうなった。

 

ブル先生(保健体育)

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f:id:school_of_dog:20151105224446j:plain体力オバケ。無限の距離を走ることができる。出張記事の場合は、ブル先生がリアカーを引いて他の先生を連れて行っていると思っていただきたい。

 

教頭

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f:id:school_of_dog:20151105224448j:plainここまでヤンチャな人がどうして先生になれたのかは、教育界七不思議のひとつになっている。だけど、今となっては個性的過ぎる他の犬達に手を焼いている。

 

校長

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f:id:school_of_dog:20151105224449j:plainもっともキャラ設定の固まっていない、謎の犬。

 

f:id:school_of_dog:20150803102459p:plain肉球マークは天の声です。